♭ おたずねくださり、ありがとうございます ♯
(人目の方)
朝ドラの『ごちそうさん』はすばらしい物語だ。
にぶい私にもやっとわかった。
先日、物語の展開が戦争で食うものが乏しくなった場面にまで進んできて、「そうであったのか。そこまで考えられて…」とうなった。
こうだった。 ー 戦争に招集された(主人公の)幼友達のゲンちゃんが病気で傷つき帰ってきた。その姿が悲しくてしかたない彼女はゲンちゃんが元気になってくれるよう必死に食べられるものを探し、作った。
あるとき、幸い肉を見つけて食べさせようとしたが、彼は(戦場のフラシュバックにおそわれたかのように)大きく震え、口にしなかった(でも今は元通りにゲンちゃんは元気になり、ヨカッタです。テレビの話とはいえ、ゲンちゃん死んだらかわいそすぎると私も主人公なみに心配しました)。その態度に驚き、主人公はつぶやいた。
「(料理することは、料理されるものの命を)殺すこと…」 ー
そのシーンに私は圧倒された。これが『ごちそうさん』のテーマだったのだ。
つまり、食べること(生きること)は、ほかの生きている命を食べて(彼らを殺して)いることであり、それらのうえに人間の命がある(成り立っている)ことである。何も戦争だけのことじゃない(戦争という極限の状態では人間の本質が見えやすくなっているだけ)。
物語は続く。 ー 戦争はまっさかり。のりちゃん(主人公と同居。彼女を慕っている義妹)がしみじみ言う。「おねえさんの『ごちそうさん』(料理で人を幸せにする)的生きかたはいい(GOOD)」
(彼女は放送《ラジオ》局のアナウンサーをやっており、戦局をいつわった放送をして国民をだましていること、若者を戦争にかり出すことに自分が協力する立場になっていることを深く悩んでいた) ー
天 を 突 く