♭ おたずねくださり、ありがとうございます ♯
(人目の方)
ついこの前、S県(ここに住んでいます)知事選があった。
候補者は三人。もっとも有力視されていたのはJ党+K党の現政権が推すK候補陣営。
K陣営。彼らの選挙戦は、敵ながらアッパレじゃ、と私は感心した。なんせ工夫があった(どうやら影に黒田官兵衛ばりの軍師がいるのにちがいない)。「Kをよろしくお願いします」をくり返すだけの鳥類のオウム、名前の連呼という脳のないやり方ではない。演説・アピールの後、さりげなく「K…K…K…」とくり返すのだ。声を張り上げず、きわめて紳士的である。
テレビで、画面が切り替わる瞬時にそおっと映像を流し、その映像を脳の無意識層にうえ付けるのを「サブミナル効果」というらしいが(催眠術みたい)、まさにそういう感じ。「K」が私の脳ミソにさえしみついたぞ。なんかの拍子に耳の奥で「K…K…K」が聞こえる。
今度のは地方選挙であっても、悪名高い「集団的自衛権」という大問題がろくろく国会で審議されることもなく内閣だけで決められた直後であったから、敵も必死だったらしい。こっちはちっとも興味ないので知らなかったが、Kの応援に「大物」が何人も来県したらしい。
が、庶民は国なんかのことより自分のいのちが大事だ(私だってそう)。原発ノー。
電気を平気で使っていて「原発ノー」とはちょっと調子いいのでは?というもっともらしい反論がよく出るが、それは違うでしょう(と私は思う)。
かくして熾烈な選挙戦がくり広げられた。
そして、予想はくつがえり、Kは負けた。
反原発(前S県知事は「卒原発」と言う)・集団的自衛権反対の候補が選ばれたわけだ。私が投票用紙に記名したもう一人ではなかったが、ともかくよかった。
ところで今度の選挙では、少し恥ずかしくなることがあった。
というのは。
投票所に着いたら投票所がないのだ。ナヌ?
投票場所が変更していたのだ(事前に郵送された案内を確かめたらそれを報せる一文があった)。われわれのようなうっかり者は他にもいて、自分たちに非があるものの、市役所はもっと親切にすればよいのに(たとえば「いつもの投票場所が変わりました。こんどの場所は…」といった看板をみちみち設置するとか)とプンプン…。怒り、慰めあった。
折からきつくなった雨降りも重なり、一瞬だが、「棄権」という言葉が頭に浮かんだ。
オットトト…。もう少しで転ぶところだった。思えば、少しどころでない。強く恥ずべきことだ。
選挙権・参政権がどれほど大事なものなのか。その人権獲得のために先人の流した血と涙を想い、深く反省した。
そこから変更した投票所までふたたび雨の中を歩いた。右には杖、左には傘。ヨロヨロ…。たいした距離ではないのにクタクタになった。その疲労感に先のプンプンがよみがえり、きわめて不機嫌な顔で投票した(最近のニュースに、子どものように泣きわめく《大人の》県会議員が出ておりビックリしたが、私も彼と同じ穴のムジナのようなものだった)。日曜日というのに出勤されていた投票所の方々には申しわけなかった(すみません)。
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