カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

カメキチの目(2015.10.18 青春の苦い思い出)

                                                  カメキチの目

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 あたり前のことではあるが、生き物は順をおっておとなになるんであって、誰にも青春時代がある。

 私は今はカメだが、かつては人間だった。

 遠いむかし、働きながら夜学にいったことがある。

 

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 その頃のできごとだ。

 

 私は当時からいい加減で、怠惰ではあったが、やりたい仕事があったので資格を取るため、カネがあまりかからない夜学に入った。

 それはいいが、思わぬコトで妻と子どもを授かった。

(人生はわからない) 

 いっぺんに所帯持ちとなった。

 

 彼女も勤労学生だったが、稼ぎは私なんかよりずっとよく、そればかりか日本昔話『夕鶴』のおつうさんのようにしっかり者だった。

 それでも与ひょう、じゃなかった私は、卒業したらきちんと勤め、家族を守るのだ、と強い決意をだいていた。

 

 あるとき、通っていた学校で、学生自治会は政治的要求をかかげ、試験ボイコットのストライキを呼びかけた。

 私はその要求には賛成だった。成績の悪さもあって、「渡りに船」の気分だった。

 だけど、試験を受けなければ留年だ。家族を守れないことになる。

 どうするカメ?YESかNO。黒か白。二者択一。

 優柔不断な性格の私は迷った。悩んだ。あっちもわかるがこっちもわかる、そっちも。なかなか判断がつかない。が、つかないではすまない。

 けっきょく「スト破り」の屈辱に耐え、試験を受けた。

 

 それは、今は人生の一コマとなった。

(そのあと試験ボイコットがどうなったとか…。よく覚えていない)

 が、心の奥深く「忸怩たる思い」がのこったのは確かで、いわゆる「心の傷」になった。

 仲が良かった級友たちとつきあうことがなくなった(友の名誉のため言っておかなければならないが、私の後ろめたさのようなものがそうさせたのであり、彼らの方からつきあいを絶ったのではない)。

 

 YESかNO。どっちかを選択しなければならない、ということは、長い人生でもそんなにあるわけではないが、あることはある。

 ない方がいいけれど、あればいろいろ起こる。

 でも、起こった厄介、めんどう、苦さは抱えるしかない。それも自分の人生の一部だから。

 

 世の中には、どうしようもないモノゴトがある。起きる。

 そのときそれを、世間のモノサシで幸とか不幸とか決めつけてはいけない。と、その後の人生で学んだ気がする。

 

                    ちりとてちん

 

95 サイフ

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上の白いところから出し入れします。

実用にたえます。

 

 

 

 

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