カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2017.3.13  『刑事フォイル』

 

                                                  カメキチの目

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 よくできたサスペンスドラマは、人間ドラマになっている。

 つまり、具体的には犯罪事件、ミステリーを描きながらも、推理・「?」部分そのものよりも登場人物たちの織りなす人間模様、人間くささのほうに力を入れている感じがする。深い人間洞察がうかがえる。

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『刑事フォイル』というテレビ番組がある。

  イギリスの作品で、ツレの超お気に入り番組。NHKなのでコマーシャルはないのだが、夜遅いこともあり、じっくり楽しみたいのでいつも録画でみている。

 彼女の称賛ぶりに私もみたいのが、みればその分、多くのエネルギーを注がざるをえないので(ブログに影響するので)ガマンしている。

 ガマンしているが、狭い部屋での暮らし。

「わぁ!」とか「スゴイ!」とか「へぇ~!」が、パソコンに向かって首を曲げ、片目になって焦点あわすのに必死な私に遠慮しながらも上げている声が耳をつく。

さいわい(?)、私の耳は悪くテレビの音声のほうはハッキリとは聞こえない。画面もぼやけ、流れて映る。ようするに、その気で観なければ認識できない。こんなときは身体の障害が役に立つ。テレビがかかっていても私にとっては「雑草」のようなものなので、さほど気にならない。

 

 で、『刑事フォイル』。

 

「舞台は、第二次世界大戦さなかのイギリス南部、ドーバー海峡に面した美しい町…」「戦争・謎とき・人間愛」とネットにある。

 詳しい情報はネット検索にお任せし、

ここで私の言いたいのは、彼女の感想、称賛である。

『刑事フォイル』は、いまでは歴史となった当時のイギリス社会の事実をたんたんと描いているとのこと。

「評価づけ・価値判断」なんかは視聴者に任せている。

 ナチスドイツが出てくる。

 街が爆撃をうける。

 いっぱい人が死ぬ。

 死なずに残っても、戦争はズタズタに心を壊す。

 そんな人々の姿、街のようすが、次から次へと描かれていくらしい。

事件はそんな中で起こる。

 もちろん、当時のイギリス社会の中で人々は生きている。(ということは)それぞれの階級、階層を生きていることであり、たとえ戦争中であっても途切れることはない。

時代考証が細緻を極めていて、スゴイらしい。

「日本のテレビドラマではこんなの作られないね…」

 

確かに。

 ドキュメンタリーは別にして、私たちが知らないだけ?)ドラマでこんなのはなさそうだ。

 そう思うと、『この世界の片隅で』という話題のアニメは、もちろんサスペンスではないので「謎とき」はないが、「戦争」中ではあっても生きることは生活するということであり暮らしをやめることはぜったいできないことをたんたんと描いているようで(観ていなくてゴメンなさい)、すばらしいらしい。

この前の日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受けたそうです。よかったですね。

 

 

                  ちりとてちん

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