カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2021.10.1 ふたつの子どもの…

このところ、ふたつの子どもの事件・事故のことで胸をつよく揺さぶられることが

あった。

(「見ざる聞かざる言わざる」という言葉がある。実のところ、虐待死事件など知りたくない。

が、知ってしまった。言わざるをえなくなった)

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                          (グーグル画像より)

 

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ひとつは、3歳の子どもの虐待死

 

9月24日の「ヤフーニュース」にこうあった。

【引用】

大阪府摂津市で、3歳の男の子に熱湯を掛け殺害したとして、母親の交際相手の男が逮捕された事件で

男が警察に「シャワーの温度を60度まで上げた」と説明していることが分かりました。  

原拓海容疑者(23)は先月31日、交際相手の長男の新村桜利斗ちゃん(3)に熱湯を浴びせ

殺害した疑いで、今月24日に送検されました。  

警察に対し、「浴室で、お湯の温度を徐々に上げて遊んでいた」と話し、容疑を否認していますが、

新たに、「温度は60度まで上げた」と、知人や警察に説明していたことが分かりました。  

桜利斗ちゃんは10分近く、熱湯を浴びせ続けられたとみられますが、抵抗したり、逃げたりした形跡は

ありませんでした。  

警察は、松原容疑者が何らかの方法で、桜利斗ちゃんの体を動けないようにして犯行に及んだ可能性が

あるとみています。

 

ものいえぬ死んでいった子どもに代わり天罰を、同じ痛みを加えたくなる。

(福島の飯坂温泉に「鯖湖湯」という古くからの共同浴場がある。訪ねたとき、43度くらいと熱く、

ほとんど浸かれなかった。

そういう体験があるから60度の湯の熱さが想像できる。

いくら熱湯になれた地元のひとでも、45度くらいが限界だと思う)

 

60度の湯を3歳の子にかける。…言葉がでない…

 

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ふたつ目は、EテレハートネットTV』の「いのちの格差」をみたときのこと。

 

番組HPにはこうあった。

【引用】

「いのちの格差〜“逸失利益”をめぐって〜」

3年前に大阪市で起きた、聴覚障害のある小学生の交通死亡事故。

損害賠償を求めた両親に対し、加害者側が提示した「逸失利益

(将来働いていたら得られたはずの収入)は、女性平均の40%という

低い水準だった。

「娘の命の価値は他の子より劣るというのか。これでは2度殺されたようなもの」

と両親はショックを受けている。

障害者の「逸失利益」をどう考えるのか。これまでの判例や専門家の声も交えて探る。

 

3年前のこの交通事故は地元ニュースで詳しく報道されたので覚えていた。

だが後のこと、裁判のことはまったく知らなかった

被害者が子どもだと知ると、病気であれ事故であれ大人の被害より悲惨に感じ、やり切れなくなる)

 

子どもは小学生5年生(11歳)の井出(いで)安優香(あゆか)さん。

2018年2月1日、大阪府立生野聴覚支援学校の児童と教諭が下校中、信号待ち

しているところに道路工事をしている重機が突っこみ5人が事故に巻きこまれた。

安優香さんは死んだ

 

安優香さんは生まれつきの難聴で、補聴器をつけていたが(つけていても)大きな音

しか聞くことができなかった。

4歳のころから片道1時間の支援学校に通って発音の方法を学んだガンバリやさん

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三つのことが強く胸にせまった。

 

① 逸失利益

社会的弱者は、死んでも差別されるのである。

(せめてもの救いは、本人が子どもであるから「イッシツリエキ」なんてわからないこと、それに

死んでいる)

法の前では万人が平等であるはずなのに、法が法を破り、「いのち」の値段をきめ

差をつける。

(そうはいっても判例にのっとって「平等に」扱っている《健常者としてではなく障害者」として》

障害のなかみ《内容、程度》という個々のケースに細かい配慮して逸失利益の金額を決めれば、逆に

法の下の平等」に反するというのだろうか。

大臣、高級官僚、大企業幹部、あるいはその子息が事故死したときはどうなんだろう

 

② 金額の問題。

(加害者は刑事で罪に問われ、裁判で確定した刑に服することになるが)

交通事故で最愛の家族が亡くなるという不幸がくり返されないことを願い、

両親は民事裁判をおこし、加害者と加害者が勤務していた建設会社に損害賠償を

求めた。

被告の会社や加害者側は、健聴者と比べて安優香さんは)思考力や学力が劣り

就職も難しいために収入は一般女性の40%になると主張。

 

原告、安優香さんの父は上の赤字部分について「二度殺された」ような気もち

と顔をゆがめておられた。

(番組で原告側弁護士さんが、この件に限らず損害賠償請求に持ちこんだ裁判《たとえば福島原発事故

損害賠償訴訟》では金額などをめぐり、ひどい誹謗中傷がどっと寄せられると言っておられた。

しかし、いまの民事裁判においては損害賠償請求」制度活用でしか加害者側に深い反省を求める

などの手だて、対抗手段がないとのこと。

被害者側はけっして欲得から高額な損害賠償を求めているのではないのだ

 

もちろん安優香さんの父は赤字部分はとうてい受けいれがたく不服とし、

不服の根拠になる支援学校の成績、家や近所での生活など安優香さんの能力を

しめす膨大な資料裁判所から提出を求められた)集めに奔走。

(番組では、たくさんの支援の動きもつたえられた。

安優香さんと同じような聴覚障害者で現在活躍中の女性弁護士さんが、障害を抱えながらも

ガンバっている人が大勢いることなどをせつせつと訴えられる姿などが映しだされた。

さきの8月、東京で「パラリンピック」が開催されたばかりというのに…)

               

③ 安優香さんの父は疲れた

首をかしげた。むなしくなった。

ここまでやらなければならない理不尽さ…。

 

そもそも、人間のいのちに貴賤はない。

誰のいのちも尊くみな平等といいながら、数字、「逸失利益」という金額で

価値づけしようとすることに無理がある。

 

 

 

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                          ちりとてちん

 

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