『読んでいる最中にもなんども思わず、フゥーっとため息をつくことがあったが
読みおわり、こんどはそれら全部まとめて深くついた。
そして、しばらくの間はボーっとしていた。
『アイの物語』という小説で、作者は山本弘という。
(グーグル画像より)
愛読ブログに、別の作品『詩羽のいる街』とともに紹介されていた。
愛読ブログは「空色のパノラマ」といい、青空百景さんというお若い方のもの。
この私の記事よりずっとうまく書かれています。是非ともお読みください。
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sorairopanorama.hatenablog.com
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『詩羽のいる街』も『アイの物語』も、ほんとうにすばらしかった。
私はあまり小説を読まないけれど、よくいわれるように世の中にはフィクションを通じてしか表せない
真実があるということを、強く感じた。
『アイの物語』はSF空想未来小説。
「アイ」は正確には「アイビス」という名前のヒト(成人女性)型ロボット。
ヒト型ロボットといえば、そのさきがけ「鉄腕アトム」を連想する。
「鉄腕アトム」誕生のとき、すでにAI(人工知能)という考え、技術があったのかどうか知らないが
彼は燃料(エネルギー)がいる(けれども飲み食いしなくていい)、壊れたところ(負傷)は修理か
部品交換(だから不死)を除けばほとんど人間と変わらない。
「痛い」「熱い」…と感じ、「嬉しい」「悲しい」…と感情をもち、自分の頭でいろいろなことを考え
意思をもち、正義(複雑なのはムリでも、水戸黄門的なそぼくなのは可能)を判断、決断し、悪と戦う
ヒーローだ。
(ヒト型ロボットでも、その昔、「アトム」と人気を二分するくらい人気のあった「鉄人28号」は
人間《主人公の少年正太郎くん》が操縦しなければならなかった。
外から人によって操作されなければ動かない「鉄人28号」は、現代では大活躍の非ヒト型ロボットと
本質的にちがわない)
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科学技術文明のとめどのない発展は、「進化」のヒト的なあらわれであり
ヒトという動物の本性であるならば、
そしてそれがヒトを存続させる方向にはたらくならば、
『アイの物語』の「アイビス」や「鉄腕アトム」のようなヒト型ロボットが生まれ
友だちになり、仲間になり、ほかの動植物たち生きものといっしょに生きる未来は
すばらしい。
(そうなれば、「ユートピア」であって、決して「ディストピア」ではない)
この物語は、そういう未来を夢みさせてくれた。
とてもよかった。
次回に続きます。