本を読んで
ファシズムはヒトラー、北朝鮮のような国だけのものではないということを 強く思った。 身近に、それとわからぬよう、そっと潜んでいるものだと痛感した。 ファシズムはヒトラー、キム・ジョンウンだけの「専売特許」、彼らだけが 体現しているのではない。 …
前回のはじめに「人間はもともと孤独」と書いたけれど、独りであっても 人は社会の中でしか生きられないから、社会のことは気になり、知りたい。 どうしたらいいのかわからなくても、そういう問題があるという事実だけでも 知りたい。 人が生きるということ…
私は全寮制の学校にいたとき、ある級友に「八方美人」と非難された。 誰とでもつき合うので、その友には「無節操」「要領のよい」ヤツに見えたらしい 表は「八方美人」に見えても、その裏にはノイローゼになるほど深刻でなくとも それなりの相手への気遣い(…
「(○○は)そもそもどういうことだろうか?」と考えてみることは、 とてもたいせつな態度だと思う。 いまの自分を、その自分から離れ、すこし高いところから第三者的に見つめてみる (「幽体離脱」みたい)、観察し認識するのを「メタ認知」というけれども、…
書名にひかれ、 『自由か、さもなくば幸福か? 21世紀の〈あり得べき社会〉を問う』 大屋雄裕・著 という本を読んだ。 「自由」も「幸福」もとてもたいせつだけど、どちらも客観的でもあり 主観的でもある。 「ある」といえばあるし、「ない」といえばない。…
ネットの買いものは、前なら支払いに「代引き」があったのに、 いつのまにかなくなっていた。 いまでは(「銀行振り込み」などもあるが)コンビニ設置の機械の指令にしたがい、 必要な情報を正確に(機械が読みとれるよう)入力しなければならない。 複雑で…
『日本精神史-自然宗教の逆襲』 阿満利麿・著 という、「宗教」とか「精神」への関心とヒマがないと読まないような本を読んだ 読んでほんとうによかった。 とてもおもしろかった。 帯に「日本人とははたして何者か?」とあったが、 よくある日本人論の切り…
子どものころ、近くには一軒の食料品が主のごく小さな雑貨店しかなかった。 衣類や文房具などがいるときは、7㎞ほど離れた田舎町の中心部に出かけなければ ならなかった。 (当時はこれがふつうで、こういう状態しか知らなかったので、「不便」と感じたこと…
「インフォスフィア」 初めて聞いた言葉だ。 何のことかチンプンカンプン…。 本にはこうあった。 「この時代において人間が住まう共時的環境が情報圏(インフォスフィア)である。 先に、ICTが高い自律性を獲得し、人間のほうがそれに依存するようになると述…
きょうは②「デフォルト設定」 (本の内容からは離れますが、この言葉について考えさせられました。それを書きます) 「デフォルト」という言葉はパソコンをやるようになって初めて聞いた。 (ネットの「コトババンク」によれば→ 「英語で、怠ける、怠るとい…
(『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』という本の感想で、 「次回からふかく感じいった三つのこと…」と書いて休んでいました。 再開したので続きを書きます。 ①「合理」と「本性」②「デフォルト設定」③「インフォスフィア」の三つ。 きょうは①) ー…
(前回の続き) 自分も人類のひとりなんだなぁと感慨にふけっていたら、「大したことないなぁ」 という思いと「いや、大したことある」という思いがわき、ふたつが争った。 そして、「大したことある」が「…ない」に勝った。 私は「ひとり」ではあっても、自…
『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(吉川浩満・著) すごい本だった。 「人間の解剖はサルの解剖のための鍵である」という題名は、 「より低級な動物種類にあるより高級なものへの予兆は、このより高級なもの自体が すでに知られているばあいにだ…
『1999年に生まれて』(シャルロッテ・ケルナー著)という本(小説)を読んだ。 衝撃的な中身だった。 この作品の舞台は1999年のドイツ。 2022年の現在からは23年前の過去だが、バイオ技術の応用が大きく進んでいた。 (「バイオ」は生命のこと。人間のこと…
④つながる(社会) 「つながり」「縁」のいちばん直接的で身近なものは、いうまでもなく「血縁」。 次に身近なものは「地縁」。 (本ではさいごに「社縁」、つまり勤め先など血縁でも地縁でもないものもありました) ーーーーーーーーーー はじめは血縁にも…
③知る、伝える(情報) 著者によれば「はこぶ【交通・運輸】」には、 「ヒトを運ぶのが交通、モノを運ぶのが運輸、情報を運ぶのが通信」の三つがあり きょうは三つ目の「情報を運ぶのが通信」の話です。 ーーーーーーーーーー 【引用】 「〈「利便」に捕らわ…
②移動する(旅) (ここでの「旅」は乗りものを使ってのものに限っています。 私は旅が大好きで、文句タラタラいいながらも節操がないので「GOTOトラベル」に乗っかかって この間もいった。こんなオトクがなくてもいく) これは人間の生活の中心の一つ、「は…
『民俗学入門』(菊池暁・著)という本を読んだ。 民俗学はいろいろ定義されようけれど、要は庶民の生活、文化を見つめる学問。 私には有名な柳田国男の『遠野物語』よりか、6年前に読み、それを記事にした 六車由実さんという女性の『介護民俗学』のほうが…
『国会議員を精神分析する』(水島広子・著)という本を読んだ。 (前回の記事とシンクロしたかのようなもので、ビックリした) 題名をみたときはハッとしたが、直感で借りていた。 投票率にあらわれているように(私もそうであるように)「国会議員」ときく…
③ 欧州列強の遺産→「最悪」 子どものとき、はじめて世界地図を見て「アフリカには定規でまっすぐ国境を 引いたような国が多い。 何で?」と、すこし疑問を感じた。 が、それに問題意識をもつような利発ではなかったのですぐに忘れ、そのまま 大人になった。 …
②「無教養」 「教養」は知識の有無とか多寡とか、理解力など能力とは関係ない。 もちろん「常識」も。 (ついでにいうなら「知性」とかいわれるものも。 みんな紹介したいのですが、少しだけ) ーーーーー 【引用】 「①〈人格をゆがめる可能性〉 (「貧困」…
前回、『冴えてる言葉(2-2)』のはじめに、 「いまの日本のように平和で安全、おおかた衣食住に困らない状況にあるなら 「幸福と不幸」は私たちが思うほど大きなひらきがあるわけじゃないけれど…」 と書いたけれど、そうでなかったら(衣食住に困るほど貧…
きょうは④から終わりの⑥まで。 ④「人間の幸福と不幸…それは人間が思うほど大きなひらきがあるわけじゃない… それは今の日本が安全で恵まれた状況にあるからだ。 戦争とか、飢饉とか、疫病とかで、大量の死が発生すると、印象も変わる。 そんなことはないと言…
前回の記事は、この本に刺激されてのことだった。 久坂部羊さんの、 『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な水木しげるの言葉ばかりを集めた『冴えてる一言』 「偶然」、たまたまということの人生における重みをあらためて痛感した。 「偶然」は人生の「パスワード」。 …
とても強く感じたことの三つ目は、 「病気を分け持つ」ということだった。 この話は「病と癒し」という大きな項目のなかにある。 重い病気やわけのわからない病にかかると、誰しもたまらなく不安になる。 癒しがほしい。 癒しとなるものは人それぞれでも、「…
前回(2-1)は、 すべての生きものたちに対する人間の責務を実行するには人間の数、人口が 多すぎてはいけない(少なすぎてもダメ。ほどほどがよい。ほかの生物たちとのバランスが だいじ)ので、デザナの人々は自分たちの世界観にもとづき、産児制限してい…
ひと口に「いのちはいちばんたいせつ」と言っても、たいせつにするし方は、 人々がどこで暮らし、いつの時代に生きているか、つまり文化により 形はさまざまであることを、この本はつよく教えてくれた。 ーーーーー いのちを失う、無にするものとして、あり…
戦後の、いちおう民主主義社会といわれている世のなかで育ったので、男女平等、 差別はいけないと教わった。 教わっていても、これは「差別じゃない、区別」と言いわけしたくなるような、 差別くさいしぐさが(ほんのたまではあっても)出て、ドキッとするこ…
「タテマエ」と「ホンネ」ということを、 愛読している爽風上々さんのブログ、『貝と羊の中国人』(加藤徹)という本の 紹介記事から強く感じた。 書名の「貝と羊」がとてもおもしろく感じられて読んだ。 sohujojo.hatenablog.com (上の爽風上々さんのブロ…
前の記事で「贈与」について自分なりに考え、思ったことを書いてみたけれど、 それは人生に当てはめてみたようなもので、少しまえに読んだ『日本の文脈』 (内田樹・中沢新一の対談)という本に強く刺激されてのことだった。 (きょうは本に述べられていた社…