本を読んで
『デジタル・ポピュリズム 操作される世論と民主主義』福田直子・著 という本を読み、とても強く感じるところがあった。 新書本でとても読みやすい。 この本を読んだ数日後、たまたま録っていたNHKのETV特集 「SNS揺れる民主主義」という番組をみることにな…
前にも記事に書いた益田ミリさんのエッセイをまた読んだ。 『永遠のお出かけ』という。 (「グーグル画像」より) 「永遠のお出かけ」というのは死で、お父さんが亡くなられたのだろう と想ったらそうだった。 今回はお父さん(お母さんも)との思い出を中心…
題名にひかれ、『「おろかもの」の正義論』 小林和之・著という 新書本を読んだ。 (「おろかもの」がどんな「正義」を言うのか興味を感じ、おもしろそうな気がした) (グーグル画像より) 実は「おろかもの」というのは比喩的な言いかたで、ほとんどの人を…
『新しい論語』(小倉紀蔵・著)という新書本を読み、記事の題名にあげたことを 強く感じた。 (グーグル画像より) 本は著者が「新しい論語」を著したということではなく、孔子と論語の読み方を 新しい観点からの解釈を述べられたもので、それがとても大胆…
死を思うとき、いちばん残念なのはだいじな人と永遠に別れなければならないこと だが、死は逃れようのないことだとあきらめ覚悟したとき、 ①できれば(たとえ死は瞬時のことでも)痛くないように ②(死後の世界は信じていないが)もしあれば、「地獄」に堕ち…
「救いがある」とか「…ない」と言う。 (いまは「災害救助」の話は含めません) テレビドラマなどで、ある話が不幸な結末で終わっても、 結末に一条の光が感じられるとき、希望を少しでも感じるとき、 「救いがある」と思う。 たまに絶望的な結末があり、「…
『小熊英二時評集 私たちはどこへ行こうとしているのか』 という本のなかでのひと言が強く胸に響いた。 (グーグル画像より) 「いちばん大切なものがわからなくなると、 人間は不安定になる」 本は2016年の出版で、とくに東北大震災以後の日本社会の時々の…
『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』という本を読んだ。 (グーグル画像より) 大学の先生5人が、「こころ(心)」についてそれぞれの専門、立場から講義 されたもの。 心がテーマなので宗教(哲学)、心理、神経・脳など内面の話が多かったが、 …
『あずかりやさん』 大山淳子 という小説を読んだ。 (グーグル画像より) 小説はすばらしいとは思っても、自分の感性にとっての当たりハズレがあるので よほど「読みたい」という気が起きないと読まない。 これはツレが珍しくすすめてくれたので読んだ。 読…
こんなに監視カメラが設置されるようになったのいつごろからだろう? 街では「監視カメラ設置」に普通に出あうようになった。 「普通」は人を慣れに導く。 (「慣れ」は生きやすくなることで仕方のないことかもしれないが) 監視カメラは気分のいいものでは…
死ぬこと生きること。 立派に(「な」ではなく「に」)「老人」と言われる、見えるまで長生きしている と思っているので生き死にの問題はクリアした(という気がしている)。 (「クリア」というのは「死を親しく感じるようになった」というくらいの軽いもの…
『時間とテクノジー』はいろいろ考えることが多い本でした。 記事は終えるつもりでしたが、もう一つどうしても書きたいことが出てきました。 「オートポイエーシス」です。 しっかりとは理解できませんでしたが、「当事者」ということ、仏教、禅の精神に 通…
パソコンを初めて触るようになったころ、その初歩的な原理、仕組みを知って おきたいと本や雑誌をめくっていたころ、「アーキテクチャー」という言葉を 耳にしたことがあった。 「アーキテクチャー」についてはいろいろ説明されているようですが、 この本で…
『時間とテクノロジー』 佐々木俊尚 きょうは「自由」と「豊かさ」(≒「幸せ」)について。 (ここでいう「自由」は、「自由・平等」という人類の理念的なものを指してはいません。 「時間とテクノロジー」次元、日常生活レベルでの「〇〇を選ぶ」という「選…
書名に惹かれ、 『時間とテクノロジー』(著者:佐々木俊尚)という本を読みました。 (グーグル画像より) 技術の限りない進展は、時間への感覚、観念をも変えざるを得ないことを 述べています。 ということは、時間を生きている、時間を消費しているという…
著者は、有名な魯迅の小説『阿Q正伝』の「阿Q精神」は現代の中国にも 活きているという。 (グーグル画像より) 「阿Q精神」とは、「阿Qの『精神勝利法』」と呼ばれる。 (注:ウィキペディアより『阿Q正伝』を引用させていただきました) 【引用】 「時代が…
「爆買い」という言葉に惹かれて読んだ。 (すこしは中国の人々のことがわかれば…くらいの軽い気もちでしたが、いまは「爆買い」は不可能。 コロナ後の世界では「爆買い」は死語になるのでしょうか?) 本は、長く日本で暮らしている中国人著者の、とくに日…
1年前からのコロナ禍でインバウンドはすっかり影をひそめている。 いつになれば元のようになるのか? 「コロナ後」の世界では、インバウンドの姿も変わってくるのだろうか。 (まだまだマスク姿は続くのでしょうか。話し声が聞こえてやっと中国、台湾、韓国…
これで終わりです。 波多野さんはイカを処理するアルバイトで、ピチピチはねる姿を見つめるなかで イカの「実存」を感じた。 (イカでなく他の生物でも同じだっただろう) 中沢さんは、その「実存」をバタイユの生命論を引き「エロティシズム」と言い また「…
『イカの哲学』続き(2回目) 著者中沢さんは、波多野さんはイカを見つめているうちに(無意識ながら)自分の カミカゼ特攻隊員としての体験はイカの生存そっくりだと考えていたのでは、 そして波多野さんが『イカの哲学』で述べたのは、薄っぺらなヒューマ…
退職してから時間が好きに使えるようになったことは、これという趣味や特技が なくてもとてもすばらしい。 退職後、「予定」ではボランティアする、料理を覚える、車に鍋釜つんで各地を 旅するはずだったが、思わぬ事故でオジャン、狂った。 しかし、狂わな…
『日本が売られる』でも触れましたが、外国人「留学生」外国人「実習生」の 実態についてのルポルタージュを読み、驚くべき過酷さを知りました。 ふつう私たちは世の中の状態、出来事をマスコミを通じ、「ああそうか」 「そうだったのか」と情報を与えられる…
最後です。 第3章「売られたものは取り返せ」で世界各地のすばらしい取り組みが紹介されて います。 いろいろありますが、水道再公営化と協同組合と子どもを農薬から守るの三つだけ 取りあげます。 【引用】 「第3章 売られたものは取り返せ 〈水道を民間企…
『日本が売られる』の感想記事を書くなかで思ったことを初めに。 竹中平蔵は大嫌いでも、「民営化」=すべて反対ではありません 。 問題があっても見て見ぬふりする、事なかれ、保身第一、前例踏襲がモットーの やる気のないダラダラ行政、公務員に任せるよ…
『日本が売られる』の途中ですが、数日前の朝日新聞、鷲田清一さんの 「折々のことば」にとても胸に響くのがあり、きょうはそれを書きます。 【引用】 「 ここのうどんがいかに旨(うま)いか、という話をするときでも、 まるで出来の悪い家族のひとりについ…
今回からは「第2章 日本人の未来が売られる」です。 第1章が日本の自然という資産であったのに、日本人の生活そのものです。 1 労働者、2 仕事、3 ブラック企業対策、4 ギャンブル、5 学校、6 医療 7 老後、8 個人情報とあり、きょうは1~4。 (5学校からは…
3回目のきょうは、海、築地です。 (「築地」というのはあの筑地卸売市場のこと。本では「公設市場」の代名詞としてつかわれている) 【引用】 「9 海が売られる 〈漁業を成長産業にせよ〉 水産庁は養殖業への企業参入を加速させ、水産業を「成長産業」とす…
きょうはタネ、ミツバチ、食の選択肢です。 みんな「食べる」「体をつくる」に関係していて、いちばんと言っていい (水もそうでしたが)ほどたいせつなこと。 初めに【引用】 「3 タネが売られる 「二度と日本の民を飢え死にさせてはならない」 2017年4月14…
1回目は水です。初めに長いですが、引用します。 【引用】 「第1章 日本人の資産が売られる 1 水が売られる 国土交通省が発表している水道水が飲める地域は、 (日本以外のアジアでは)アラブ首長国連邦 (他の地域では)ドイツ、オーストリア、アイルランド…
堤未果・著『沈みゆく大国アメリカ』に、日本の「国民皆保険」制度がどんなに すばらしいものか、アメリカを例に書かれていたことをきょ年11月に書きました。 同じ著者の、ずっと前から読みたかった本が、先に借りた人が多くて1年もたって やっと順番がめぐ…