本を読んで
きょうは④から終わりの⑥まで。 ④「人間の幸福と不幸…それは人間が思うほど大きなひらきがあるわけじゃない… それは今の日本が安全で恵まれた状況にあるからだ。 戦争とか、飢饉とか、疫病とかで、大量の死が発生すると、印象も変わる。 そんなことはないと言…
前回の記事は、この本に刺激されてのことだった。 久坂部羊さんの、 『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な水木しげるの言葉ばかりを集めた『冴えてる一言』 「偶然」、たまたまということの人生における重みをあらためて痛感した。 「偶然」は人生の「パスワード」。 …
とても強く感じたことの三つ目は、 「病気を分け持つ」ということだった。 この話は「病と癒し」という大きな項目のなかにある。 重い病気やわけのわからない病にかかると、誰しもたまらなく不安になる。 癒しがほしい。 癒しとなるものは人それぞれでも、「…
前回(2-1)は、 すべての生きものたちに対する人間の責務を実行するには人間の数、人口が 多すぎてはいけない(少なすぎてもダメ。ほどほどがよい。ほかの生物たちとのバランスが だいじ)ので、デザナの人々は自分たちの世界観にもとづき、産児制限してい…
ひと口に「いのちはいちばんたいせつ」と言っても、たいせつにするし方は、 人々がどこで暮らし、いつの時代に生きているか、つまり文化により 形はさまざまであることを、この本はつよく教えてくれた。 ーーーーー いのちを失う、無にするものとして、あり…
戦後の、いちおう民主主義社会といわれている世のなかで育ったので、男女平等、 差別はいけないと教わった。 教わっていても、これは「差別じゃない、区別」と言いわけしたくなるような、 差別くさいしぐさが(ほんのたまではあっても)出て、ドキッとするこ…
「タテマエ」と「ホンネ」ということを、 愛読している爽風上々さんのブログ、『貝と羊の中国人』(加藤徹)という本の 紹介記事から強く感じた。 書名の「貝と羊」がとてもおもしろく感じられて読んだ。 sohujojo.hatenablog.com (上の爽風上々さんのブロ…
前の記事で「贈与」について自分なりに考え、思ったことを書いてみたけれど、 それは人生に当てはめてみたようなもので、少しまえに読んだ『日本の文脈』 (内田樹・中沢新一の対談)という本に強く刺激されてのことだった。 (きょうは本に述べられていた社…
ー おことわり ― 当ブログはほとんど読書感想です。 読んで感動したこと、新たに知りとてもよかったと感じたことなど、そういうことは自分のためだから 普通の日記に書けばいいことですが、せっかくブログがあるので…と思いやっています。 (じつは障害者に…
精神科医の片田珠美さんという方との対談から。 ちょっと強引に、「「私」という輪郭を弱めてみる」とまとめてみた。 【引用】 「〈禅や精神分析は、無意識とどう向き合うか〉 煩悩は同じ生命エネルギーなのに、自分にとっていま邪魔になっているので煩悩と…
「中途半端」 ものごとを最後までやろうとせず、イヤになったら投げだす。 いい加減な、私のような者を見るだけなら「中途半端なヤツ」といえばすむけど、 「中途半端」は、人生を見るなら一個人の評価をこえて当てはまることが多い。 そこは思うようになら…
「醜い」は、「見にくい(難い)」「見に苦い」が語源のような気がする。 (「正視しがたい」ということだろう) 3年前に亡くなられた橋本治という小説家のちょっとだけのファンで、好きなので また読んだ。 『人はなぜ「美しい」がわかるのか』 私は「原理…
自分のブログは「読書感想」がほとんどで書き終えればだいたい忘れるが、 5月3日の記事「在るものを愛すること」はずっと心に引っかかっていた。 「在るものを愛すること」 漠然とした表現でわかりづらいが、何かたいせつなことのような気がし、 心に引っか…
あんなのも「宗教」のうちに含まれるのかと首をかしげてしまう「統一教会」。 また禅僧の南さんの本を読み、「信心」という、宗教ではあまりにあたり前、 前提のように扱われていることについて考えさせられた。 これは対談本で、相手は作家の高村薫さん。 …
前に『あずかりやさん』(大山淳子)という小説を読んだことがあるけれど、 同じ書名で新しい作品集が出たので読んだ。 (一つひとつの小話が、本全体の主人公「あずかりやさん」につながる) ほんわり心が温かくなってくる物語なのでまた読んだ。 (隠居老…
『生かさず殺さず』 久坂部羊・著 という医療小説を読んだ。 たまたま見つけた本だったが、読んでほんとうによかった。 長く生きることはいいことだと思う。自分も長生きしたい。 が、個人によりいろいろな現れ方があるらしいが、痴呆症になる可能性もある。…
(この前、芹沢俊介・著『家族という意志―よるべなき時代を生きる』からの引用をしましたが) 本の一節に、携帯電話の汎用が人々の「自己本位主義的志向と個人化」をうながし 「家族を壊す」という意味のことが述べられており、ふかく考えさせられました。 …
もうすぐ8月だけど今年はいまのところ、夏特有の大雨による多くの人にあたえる 酷い自然災害は聞かない。 そのことがすごくありがたく思われる。 (といってもこれは日本。45°を超える熱波で森の火災が発生、たくさんの人が死亡というスペイン。 ニュースで…
今日で終わり。 三人の方です。 雨宮処凛 ―「助け合い」が大切にされる社会― 「出会ってしまったらしかたない」 このひと言が、つよく胸に響いた。 (この人は社会的に弱い立場におかれた人々を援ける活動をされている) コロナ禍がなくても、もともと不安定…
(きょうは『ポストコロナ期…』の「後」を書く予定でしたが、「国葬」というニュースを知って 啞然としたので、そっちにします) 一国民の私は絶対に反対です。 ーーーーーーーーーー 安倍元総理が銃弾に倒れるという事件のとき、 『刑事弁護人』 薬丸岳・著…
コロナは感染が急激にふえてきて「第7波」に入ったようだ。 ニュースで東京や大阪では1万人をこえたと報じられても、以前のような緊迫感は 感じられない。 (その正体がよくわからず、感染力におびえていたころとは違う。 不明なことはたくさんあっても、い…
『禅僧が教える 心がラクになる生き方』 南 直哉・著 という本を読んだ。 とてもやさしいわかりやすい内容で、自信をもって薦められる本です。 (近ごろでは前に書いた『人間が生きるってこういうことかしら』以来のことでした) あまり多くはないので、初め…
老いれば自分が何者か、どれほどの者かがだいたい見えてくる。 意外な自分を「発見」して驚いた、という若いころのような胸の高鳴り、 ちっともない。 意外な自分を感じることは滅多に(というよりほとんど)ない。 ーーーーー いつだったか平野啓一郎さんと…
5.3に「在るものを愛すること」という記事を書いた。 前田英樹さんが書かれた本の感想で、道徳や倫理というものについてのもの。 その本で初めて考えたこともあり、またこの人の本を読んでみたくなった。 見つけたのは 『独学の精神』 という。 この中の一つ…
写真(バラ)記事のとき、生きものの命をたいせつにする「生命誌」という研究、 啓発の活動をされている中村桂子さんと、死にゆく人の看取りをされる訪問医の 内藤いづみさんとのステキな対談本、 『人間が生きているってこういうことかしら?』 のことを書…
「足の裏など自分の身体を、他人からくすぐられたらこそばくてたまらないのに 自分でやったらマシなのはどうしてか?」 ありふれた不思議なことは身近にいっぱいだ。 (ただ、子どものころ感じた「不思議」の多くは、忘れている。 不思議なことを忘れず、探…
きょうは③について。 ーーーーーーーーーー 【引用】 「③〈階級格差をどう縮小するか?〉 まず近代産業の基幹産業、たとえば製鉄、自動車や電子部品の製造などを、個人企業が担うことは 不可能である。旧中間階級が手がけることができ、大企業と対等に競争で…
はじめは①と②です。 ①〈まえがき〉 新型コロナ禍の直撃を受けたのは、まず非正規労働者、そして自営業者や個人事業主だった。 ここに新型コロナ感染症の「階級性」があらわれている。 … 一般に現代社会には、資本家階級と労働者階級という二大階級のほかに、…
日本銀行のトップ、黒田総裁が、これぐらいだったら庶民は値上げしても たいして痛みを感じずガマンするだろうというような発言をし、 大きなヒンシュクを買っている。 あまりに明快でわかりやすいことを発言したことに、本人は後悔しているだろうが わかり…
最後の③は「遊び」、「スポーツ」。 この本では、それらの原型も狩猟採集時代に遡れるという。 いま私たちが「遊び」、「スポーツ」といっているものの起源も狩猟採集生活に あるとのこと。 ニュースで「eスポーツ」というコンピュータゲームを知って (「グ…