♭ おたずねくださり、ありがとうございます ♯
(人目の方)
せんじつ、ある温泉に行った。
そこの温泉の湯ぶねのまわりは、ぼう大な岩石が装飾として置かれていた。客は極楽気分で石をじっくり眺めるわけである。
それが装飾になっているか(ヒョイと、ただ積んであるだけのようでもある)は別として、巨大なそれらは、ひとつひとつが人の背丈の2,3倍もあった。しかも数いっぱい。そばに置かれた看板の能書きによると、全国の名石・奇石という。ハハーン…!ここに集められたときの苦労を想うと頭がさがる。ストーンパワーがお客さまにとどきますようとの創業者の願いが伝わってきた(ありがとうございます)。
湯につかってながめると、はじめしばらくは「スゴい!」と舌をまいた。が、そのうち自慢されている、見せびらかされているようで、腹立たしくなってきた(しかし湯は、変わらずいい)。たかが石じゃないか(宝石なら別だが)。悪趣味な。湯を掘りあてて(そこは昔からの温泉地ではない)たんとおカネをがはいったか。
が、しばらくたって、「やっぱりスゴい」と思った。こんどの「スゴい」は、もちろん前と同じではない。いったんは否定したものの復活だ。リボンやネジみたいな形のらせん状の一点がひと回りして、一段うえに移ったように、質的に一段階うえに立った新たな視点だ。
(そのようなつまらん理屈はどうでもいいが)そこからあらためてながめた。
それで、スゴいと思ったことは何だったか?
巨大な岩石は、人間がいかに頼りない存在であるか、消え入りそうなモノかを感じさせてくれる(創業者は、これが言いたくて、日本全国を回り、こんなに岩石を集めたのだろうか)。
前に恐竜のことを書いたが、このとき、この岩石がこういう形態・色となるまでの悠久さを想った。ついで恐竜とその時代を連想した。
いやいや。創業者にそんな思いはなく、単に客の目をひきたかっただけかもしれない。
赤・青・茶色…いろいろな色彩。さまざまな形の岩石を楽しませかっただけかもしれない(形といえば、岩や石が、さまざまなものに見えた。その形は位置を少し変えるだけで、また変化した。いつまでも見あきなかった)。
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