♭ おたずねくださり、ありがとうございます ♯
(人目の方)
ある晩。こっちは食べているのに、テレビの向こうでは被災した人びと…。
何が起きたのか。被害をまだしっかりとは受けとめられず、ただ、あてがわれた学校の体育館や公民館でなすことなく時間を過ごす(つぶす)のはやり切れないだろうと思う。そして、自分が害を及ぼしたわけではないが「すみません」と謝りたくなる。
とても「がんばってください」とは言えない。
ある晩。妻が言った。「(避難場所の)床にせめて畳とか敷いたらラクなのに…」
だだっぴろいばかりだけの体育館や公民館。被害者のみなさんが少しでも快適に過ごせることが、被害に遭わなかった者のつとめである。
それに体育館や公民館はすぐに行けるのだろうか。そういう便利な位置にあるのだろうか。
専用の避難住宅があればいい。
(戦争のときには「防空壕」があった)
日本国は、言わずと知れた「災害列島」なのだ。
国は法律を変え、「モーレツ」・「ン十年(ン百年)に一度」・「チョー大型」と言い、「早めの避難」と呼びかける。けれど、言うばかりである。
まるで「…だから気をつけろよ、と言ったがね」と言い、災害に遭ったのは逃げなかった・逃げるのが遅かった「あんたが悪い」、と、こっち、国民に責任を転嫁しようとしているみたいだ。
原発事故は100歩ゆずり「想定外」だったとしても、日本列島は台風・津波・土石流…に必ず遭う。
誰かが、「私はほんとうにウンが悪かったもんだ…」ということに遭遇して嘆くのは避けられないかもしれないけれど、あそこに住んでいたらいつかは裏山が崩れて…、というのや、大波が打ち寄せればもって行かれる、というのは防げるのだ。