♭ おたずねくださり、ありがとうございます ♯
(人目の方)
バスは、はじめ街中そのあと郊外なので、よく整備された道を走った。
そういうところでは、♪「いなかのバスは オンボロバスよ~」というナツメロが思い出された。余裕である。
が、そのうち山道に入り、カーブに次ぐカーブ。ピンカーブもある。ダルマさんみたいにゴロンといくのは恥ずかしい。で、焦る。身体を支えるために握りしめた両手には力が入る。顔からは冷や汗…。
1時間半耐えた。
そして、到着(ヤレヤレ…)
着くまで、ほとんど床に目を落としていたのでわからなかったが、山肌一面、みごとな紅葉である。
たとえがヘンだけど、浦島太郎でおなじみの竜宮城はこんなところだったのか。
ともかく、色の輝きをこれほど力強く感じる経験はふだんの生活にはない。
ところで、私たちは、温泉ときどき紅葉(いや「紅葉ときどき温泉」)の口である。で、目的・することは二つなのだが、登りたい。が、
いくら登りたくても、山道は凸凹だらけ。人ひとりが精いっぱいの狭さ。絶対、妻が支えてくれなきゃ転倒する。
朝。食堂の窓から円陣組んでストレッチ体操するグループ、さっそうと出発する人たちが見えた。彼女に気づかれぬよう唇をかむ。
ヂ・グ・シ・ョ・ー…
それにしても、天気には恵まれた。ありがたかった。こんなにありがたくていいのだろうかというほどありがたい。
山は急変しやすいとよくいわれる。それが、みんなタイミングよく、あるときは、数秒の差でドシャ降りにあうところだった。
朝早く、霧が深くて幻想的な風景だった。いったんその霧が集まり粒となってちょっと濡れた。が、私は山の経験が豊かである(と、過去の栄光にしがみつく)。その経験によればそのうちウソのように晴れるはず。で、そのまま霧の中を進んだ。
予想どおり太陽は現れ、光が山肌、木々の幹・枝・葉っぱ、道端の草花と照らした。まさに「天然総カラー」の世界を現出させたのだ。
ところで、ところで。
きょうの本題は食事でした。が、長くなり、食事の話は次にします。ゴメンなさい。