カメキチの目
前回、『ゴースト・ボーイ』のことを書いた。
パソコンという身近な機器にいかされている科学技術のすばらしさを、強く感じた。
このまえテレビで、競技用車イスの開発に夢をかけている小さな会社の社長さんのことを知った。すごく感心した。
足に障害があっても、バスケットとかマラソンなどスポーツを楽しみたい人が大勢いる。その人たちの願いをかなえたくて、サクサクと機敏に動く競技用車イスを開発しているのだ。
----------------------------------
さくねん暮れごろ、日本にとってはすばらしいらしいニュースがあった。それを報じるテレビキャスターも心なしか高揚していた。
「らしい」と言ったのは、その価値について私の頭はイマイチついていけないので、「すばらしい」という実感がともなっていなかったから。
その価値がわかる方にはわかるのだろう。なんせ「アジアではじめて」のことらしい。
原子番号113となる新しい元素が理化学研究所(といえば、例のスタッフ細胞で大揺れしました)で発見され、誕生したこと。
こういう地道な基礎研究はとってもたいせつで、こんどの場合、“物質”とは何から成り立っているのか?という人類の念願に向けて一助をなすらしい。化学の分野から日本が結果を出したわけで歴史的快挙という。アメリカやロシアに肩を並べたく、何年も前から(私は知らなかったが)進んでいた国家プロジェクトだったようだ。
比較はよくない。と禅の教えにもあるのだが、そういう事実やできごとを受けとめかたには自然に差(“違い”というのが適当かな)が出てしまい、この場合、どうも競技用車イスのほうに私は惹かれてしまう。
モノゴトは大局的に、長い見とおしをもって見なくてはいけないとは思うのですが…ね。
と、“科学技術”に想いを馳せていたら、慄然とする、心が凍ってしまいそうなニュースが入った。北朝鮮がまたもや核実験をしたという。
日本では福島原発事故が忘れ去られようとしている。