カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2016.3.28 走る

 

                                                  カメキチの目

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 生まれてから、いっぱい走った。

 今は走れなくなったけれど、走れない身体になるまでは、たくさん走った。

比喩じゃなく、足を動かし「走る」。ランです。

 運動会でも、仕事中いそぐことがあって駆けたり、ちょっと腹の出っ張りが気になって意図的にジョギングしたこともある。

今は胃がないので腹は出ませんが、食後はとくに下腹部(あっ、コレも腹か)が張り出します。

 

 先日、マラソンをみた。1年に1度の、けっこう有名なマラソン大会である。

 住んでいるところの近くを選手のみなさんが駆けていくので、毎年のようにみる。

 ことしも目の前で、生の選手さんをみた。

あの公務員選手の川口さんもいました。

 応援の大人たちにまじって、子どもが大きな声援をおくっていた。

子ども「ガンバレー!」

私たち「子どもはいいね。すなおに大きな声を出して…」

 恥ずかしくて、こっちは大きな声は出せなかった。

   「がんばってー!」

 けれど、ランナーの、倒れそうになりながらも必死な表情にひき込まれ、いつの間にかちょっとだけ声が上がっていた。

 

 目の前を走り抜けるランナーのみなさん。

「ハッ、ハッ、ハッ……」

 息遣いが伝わってくる。

“一生懸命”とか“あきらめない”とか…。がんばりを称賛する言葉はいろいろあるが、それが言霊(コトダマ)となって一人ひとりの選手のみなさんに乗り移っているかのようだ。

 震えた。

                                     

                

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 いつもは有名とか上位入賞の選手さんだけをみて、寒さもあり、なにより立っているのがしんどくなるので帰る。 

 けれど、この日は違っていた。

 どの選手・ランナーのみなさんからも目が離せず、帰ったらいけない気がしてきた。写真もみなさん全員を撮らないと悪い気がしてきた。

 カメラを構えんならんし、拍手はせんならんで、たいへんだった。ときどきは「がんばれー」も叫ばなければならないし…。

おかげで後からパソコンに取り込んでの編集・整理がおおごとでした。なんせ、出場選手みなさんのほとんどを撮らせていただきましたから。 

 

 私がとても慕っているブログ読者の方も、マラソンランナーだ。

 しかし、このマラソン大会はいわゆる市民マラソンではないので、出場されていなくて残念だった。

 しかし、お気もちのわずかでも肌に感じられるようになった。

 その方のブログに接し、ランナーの生の声を聴かせていただくことがなかったら、最後の選手さんが通り抜けるまで応援することはなかった

そのブログを読み、初めて、しんどい・つらい思いまでしてなぜ走るのか。ほんの少し感じられるようになりました。

それにまた、その方はランナーとしではなく、大会になくてはならぬボランティアもなんどもされ、そのことをつい最近お書きになりました。

私がいつも頭が下がるのは、そのつど参加された大会のボランティアさんに向け、あふれる感謝のお気もちを述べられておられることです。

 

 私は登山をしていた。

「何で山に登る?」ときかれることがあった。

 答えは人それぞれ。

 きっと、マラソンも同じだろう。

 でもこんど、私は強く感じた。

 勝ち負けを競うスポーツとは違って、マラソンは自分のためにある。厳しい自分との闘い。

 そのがんばっている姿は人を感動させ、勇気づける。

 

 

                   ちりとてちん

 

 

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