カメキチの目
窓から新緑が目に映え、気分はそう快!
のはずなのだが、自分のことを思うと憂鬱になってきた。
すると、ずっと前に没頭した禅語の本に「青山」という言葉があったのを思い出して、想った。
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「安眠高臥(あんみんこうが)、
青山(せいざん)に対す」(『五燈会元』より)
ぐっすり眠った。起きたら目の前には青々とした山。
在るのは、山と私だけ。
思えば、人にうらまれるようなマネは(自分では)してきていないつもりだが、知らないうちに他人を傷つけてきたかもしれない。
この世は、(意識せずとも)勝つか負けるか上になるか下に落ちるかの順位づけがされている。イヤであっても競っている。
そこを這いずりまわり、生きてきた。
気づいたら、老いていた。
地位や名誉。財産がなんじゃい。と思うけれど、これも
「安眠高臥、青山に対す」
も、みんな自分の思いなのだ。