安眠するためには薬が欠かせないことがある。
きょうは「薬」です。
私の信仰する仏教に薬師観音というのがおられる。
「薬」という字がつくが、「健康」「医」の仏さまだ。
そこまで薬というものは人間に深いつながりがある。
私自身は平衡障害に効く薬はないので服用していませんが、このブログでもご自分の薬と切り離せない方はいっぱいおられ、たいていは、何種類かの服用で、その管理がたいへんみたいです。
と書いてきて、重大なことを忘れていることに気づきました。そうだった!私は胃がないので(ふつうの人は胃で自然に作られる)ビタミンB12を自前で供給するのが無理なので、ひと月に一回、注射で補給されているのでした。
この薬のせいで、再び(いや三度)生き返った気がしています。
薬といえば薬草、漢方薬。
子どものころ、竹を削っていて手を切り、「チドメグスリ」と称して溝の石垣に生えているフキの葉形の小さな草の葉を患部に貼って(置いて)止血した。ちなみに後年、その草は「チドメグサ」といい、ホントに血を止める効果があると知り、それまで少しバカにしていた民間のいい伝えであったが、バカは自分だと反省した。
そんなことはどうでもよいが、2月23日のNHKの『クローズアップ現代』で、「高額化する薬価」ということをやっていた。4月30日付けの朝日新聞『天声人語』というコラムにも似たようなことが載っていた。
「へぇー、そんなによく効くのか。でも、すごく高いなあ。とてもわれわれ庶民が払える値段じゃないな…(死ぬしかないか)」
今まで効果的な薬はない、あっても副作用がひどい、といわれていた重い病気。それに効く薬が開発されたという。
それはすばらしいが、開発費が膨大なため、薬価に反映されているらしい。つまり、手放しで喜ぶわけにはいかないのです。
番組は問題点を指摘する。
①日本の医療は国民皆保険(原則)なので、その薬が私費ではぜったいムリでも、高額医療費制度があるので初めは自分で支払わなければならないそれがむずかしく、問題ですが、後で返還される。ですから、ありがたいことに私も服用可能なのです。落胆しないでよかったなー。
しかし、
②その高性能な薬の開発費用を含め、日本の医療費は膨大である。
新聞コラムのほうは、「費用対効果」という言葉でその高性能薬の開発費用などにかかったおカネと、患者さんの残された(死ぬまでの)いのち・人生を天秤にかけることに疑問を投げかけるが、そういう現実の厳しさの存在を指摘する。
そして、(またテレビのほう)
③膨大な医療費を抑制するために、国民皆保険制度は廃止するか縮小し、民間保険制度をもっと増やし、自由診療ができるようにする、という道もあると紹介。
(その道、やり方はまだ導入されていないが)そうなると、よく効く薬は高額なので、収入が多い人でないと払えない。が、膨大な医療費の抑制効果はあろう。
しかし、番組は、
いのちに差をつける問題を指摘した。
やっぱり、かの『パナマ文書』掲載人や、そこまでいかなくてもそこそこのカネ持ちだけしか、その高性能薬は使えないのか。
だが、人間倫理として、こんな論理が通っていいものだろうか…
悶々としていたら、先にノーベル賞を受賞した大村智博士が想われた。
私はぜんぜん知りませんでしたが、大村さんは重症化すると失明に至る感染症・オンコセルカ症の特効薬『イベルメクチン』を発見され開発されました。
そしてアフリカ大陸の数えきれない人たちの目を救われました。