カメキチの目
ー 枯木裏の龍吟 ー
先日のこと。敬愛している方のブログ記事にうろ(洞)のある枯木の写真があり、禅語「こぼくりのりゅうぎん」を想わせました。
有名な禅語録の『碧巌録』に、ある雲水(修行僧)に「仏道とは何ですか?」と訊かれて中国の香厳(きょうげん)禅師がそう答えたとある。
枯れた木には腐ってできた空洞がよく見られるが、風が当たるとまるで枯木がないているよう 「リュウ~リュウ~♪…」
まさに龍が吟じている。うたっている。
木は立っているだけで、土砂を護ったり、二酸化炭素を吸って酸素を吐いたり、
傍にあるだけで、安らかな気持ちにしてくれたり、木陰をつくり憩わせてくれる。
そして枯れたら(死んだら)、虫などの巣となり、「龍吟」の音、枯れたからこその色・形で人間を楽しませてくれる。
そしていずれは自らが生まれたところの土に還り、その土を肥やし、新しい生命に繋がっていく。悠久で雄大な大自然に。
「無駄」とか「無縁」とか絶対ないのだ。
究極のリサイクルですね。
ふと思った。「リサイクル」の真髄は、いのちの受け渡しにあるのかもしれないです。
もちろん人間も。