カメキチの目
世がぶっそうになってきたこともあり、「人間」も、あくまでも動物の一種にすぎないという自覚を、近ごろ強く持つようになった。
人間だからといって、ちっとも特別な存在、エラいのではない。
「悪知恵」が働くなら、そんな知恵、脳などいらない。
人間が動物以上にすばらしく思えるときもあるけれど、いまの世の中は動物以下だと思えてしかたない。
これは「国家」社会に生きている次元の人間のことです(小さい社会、家族や地域、個人のレベルでは無限にすばらしい、感動を受けるできごと、ドラマがある)。
先日、目を疑うようなヤフーニュースがパソコンに出ていました。なんと核シェルターが(お間違えのないように。これは日本のニュースです)よく売れているらしいとのこと。おカネがあれば購入は自由なのでしょうが、買うより先に、日本国民みなが被害に遭わぬように一人ひとりが考えることが先だと思うのですが…。「そんなことする余裕はない!」と焦る気持ちはわかります。
けれど、自分だけ害を受けず(それは完全にムリな話と思う)「ヨカッタ、よかった!」となるのですかね。しかたない…でオシマイか。さみしい世の中になったもんだ…
イヤだ、いやだ、人間いやだ…と思っていたら、偶然出あった本がとてもよかった。
『生命と偶有性』という、茂木健一郎さんの本だ。
この方は有名な脳科学者で、NHKの「プロジェクト仕事の流儀」という人気番組の司会者もやられたことがあります。
「偶有性」ということに焦点をあてた一般向けの本で、
「偶有性」という言葉が、私の好きな「偶然」、「いっすん先は闇」(こっちは「不安」「恐怖」にもつながりますが)を指すのか、なんだかおもしろそうだと印象を与えたから読むことにした。
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茂木健一郎さんは脳の科学者ということで、人工知能やロボットが飛躍的に脚光を浴びてきた社会の事情も背景にあるのだろうが人気があるらしく、もっとこの人の著作をと図書館で探したら多くのものが貸し出し中となっていた。
でも『幸福になる《脳の使い方》』というのが借りれた。
世の中、政治に心を向ければ気分は落ちこみ、悪くなるばかり。
茂木さんの本は、私にはとてもすばらしいと感じられる話が多かったので、数回にわたるかもしれないが、自分なりに紹介してみたい。
「幸福」は直接「偶有性」と関係ないけれど、間接的にはありそうなので、続けて借りた本も含めて。
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本の中ごろに出てきた話だが(そこの章、項目で引用されたもの)、強く印象に残ったので初めに書きたい。
私流のプロローグです。
(フランスのジョーク)
ある男が、嘆いていた。
オレは、生まれてからずっとビリだった。学校の勉強でも、なんでも…。自慢できるものは何ひとつない。
そんなオレが、生涯でたった一度だけ一位になったことがある。
それは、母親の胎内で精子が一斉に卵子を目指していた時のこと。
何十億という仲間たちを退けて、自分は一番に卵子に到着し、受精したのだ。
それが、この人間。オレだ。