カメキチの目
この前、パンダの報道で「NHKよオマエもか!」と苦言を呈したけれど、最近のNHKは「エッ、このチャンネルは民放?」と視聴者(ウチだけだろうか?)が間違えそう。
それほど芸能人がよく出るバラエティー番組が増えた。うるさく(いえ「賑やかに」)なった。
別に(とくに)お笑いなどの芸人の登場が増えたことに文句いっているわけではありません。
が(やっぱり「文句」か)、NHKはNHKらしくあってほしいと、古い人間には思うのがいるんです。
そうでなくてもインターネットなどに時間をさき、テレビをみることがあまりない人たち(とくに若もの)が増えている。テレビ放送はこれからどうなっていくのでしょうか。真剣に考えるべきだと思う。
そんな中、NHKドラマには唸る。300%の感動をもらうものがある。すばらしいドラマ番組があるのだ。
NHK制作だけではなく、海外のテレビ局制作のもときどきやります。これがまたいいのです。前に紹介した『シカゴメッド』もそうでしたが、いま放送中の『THIS IS US 36歳』(ただしこれは連続もの)も。
一定の視聴率をかせいでいる(仕事をやめてからずっとウチも貢献している。ちなみにおしまいの「ちりとてちん」はその番組名)朝ドラよりいいなぁと思うのがいっぱいある。
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そんなひとつが『男の操(みさお)』だった。
(残念ながらもう終了しました)
主人公役の俳優さんが某有名人でないところがまたすばらしかった。
(視聴率を稼ぐテレビ局《映画でも同じ》の目的のために人気俳優さんを起用するという制作者・監督などの意図はわかりますが、だいたいは脇役、影の役ばかりの俳優さんが主役に抜擢されるというのははたからみていて《私なんぞは》すごく気もちいい、痛快です。
そもそも、(演技力とかを見る目のないシロウトが言うことではないですが)なにを基準に「主役」は決まるのでしょう)
録画しておいた最終回をみた。
最愛の妻に先に逝かれ、10歳前後のまな娘(この女の子のしぐさがとても健気でかわいい)に「援けられ」、妻の死にぎわに約束した「紅白(歌合戦)に出る」ために、日本全国をスーパー入口から公民館、はたまた娯楽施設での巡業を身体をこわすまでこなす、ちょっとくたびれた、さえない中年男性演歌歌手が主人公。名前は五木みさお(いつきみさお)。
家は6畳4畳半に台所。いわゆる文化住宅に住んでいる。
ある日。となりに万田さんという、福岡から仕事を求めて上京した若い女性が引っ越してきた。
就職が思うようにいかない彼女は暇つぶしにあるとき、コップを壁にあて、五木宅の父子会話を盗み聞きし、次第に、この親子に惹きつけられていく。
五木みさおの紅白出場(それには持ち歌の『男の操』というのが人気を博さなければならないのだが)をめぐって、小さい娘とともに新たに万田さんが「五木みさおファンクラブ」を結成、そのリーダーとして応援する。
また、それらを取りまく厳しくもやさしい仲間たちの物語。
この番組が去年の終わりごろ放送されていたし、何よりも「男の操」という歌が胸にこたえる感動的な歌で気にいった私は、ひょっとしてホンモノの紅白に出るのではないかと期待しました(裏切られましたが)。
この歌は、前に紅白にも出場したつんくさんが作曲されたもの。よかったら聴いてみてください。ついでに、ずっと前の『全力離婚相談』というドラマの主題歌、安藤裕子の「人魚姫」も)。
ともにユーチューブで聴けます。