カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2018.3.2 「無理」ということ

                                                  カメキチの目

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先日、電通の高橋まつりさんと同じように若くして過労で亡くなったNHKの女性記者・佐戸未和さんのご両親がテレビで、国会で議論されていた「裁量労働制」について、制度の是非は別として、(ともかく娘さんのような「過労死」が二度と起きないようなものになってほしいと訴えておられた(お母さんは何度も目にハンカチをあて…)。

 「残業」「働き過ぎ」「ブラック企業」…そして、「過労死」(自殺を含む)

 

働き過ぎには、私のような怠け者、自分にやさしく、休むの大好き人間はつぶされるおそれはないが、几帳面で真面目な性格、周囲に細かい気を遣う優しい、繊細な神経の持ち主は気をつけなければなりません。

上司に「期待のまなざし」を感じ、無理してでも応えようとする。同僚に「同調圧力」を感じ、(ちがうんだけどなぁと思っても)周囲に無理して合わせようとする。

総じて、まわりの空気を読むことに神経を注ぎこみ、疲れ果てる。 

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「過労死」まではいかなくとも、「残業」「働き過ぎ」は誰にもよくあります(現役のとき私でも残業はよくやりましたが、決して無理はしなかった《自信をもって言います》)。

 

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ところで、前々から気になっていた「無理」ということが心に引っかかり、あらためて考えこんでしまいました。

 

ちなみに「無理」をネット検索したら、デジタル大辞泉には次のように書かれていました。 

[名・形動](スル)
1 物事の筋道が立たず道理に合わないこと。また、そのさま。「無理を言われても困る」「怒るのも無理はない」「無理な言いがかり」
2 実現するのがむずかしいこと。行いにくいこと。また、そのさま。「無理を承知で、引き受ける」「無理な要求をする」
3 しいて行うこと。押しきってすること。また、そのさま。「もう無理がきかない」「無理に詰め込む」「あまり無理するなよ」

 

「労働」「働くこと」にかぎらず、日常の中では、

「ちょっとムリ無理すればできる(だろう)」ということはたくさんある。たとえば、

 この荷物は重い。重いけれど、ちょっとガンバレば、「持って持てないことはない」。

 で、(「まわりへの配慮」も「自信《見栄?》」もあり、「持ってもてない」わけではないので)ガンバる。持つ。

 持ったはいいが、

あるとき、ぎっくり腰を起こす。

こういうパターンはいくらでも見つかります。

(ぎっくり腰は治るからいい。これをきっかけとして腰痛になっても、腰痛にはいろいろな治療があり、これを受けられる。でも、そもそも治療を受けられなかったら…)

 

「やってやれないことはない」。

あと少しガンバればやれる。

 いまある自分の状態を進める。

少しだけ前へ」。

 ちょっとのことだから大丈夫、いける!

 

 こういう態度、姿勢こそを「無理」というのではないかと私は思った。

 

無理をした」と気づいたときは、その行為が結果的に「無理」だったわけです。「無理の代償」としての病気とかケガをして(極限は死)、はじめてそれが「無理だった」行為と知る(死んだら、本人にはわからない)。

「過ぎたるは及ばざるが如し」。

無理は取り返しのつかない、大事にいたるおそれがあると思う。

 

無理はなにも労働のことだけではありません。人の生活、営みすべてにいえるのでしょう。

天気予報で寒さで道路が凍結するかもしれないと聞いていたのに、「大丈夫だいじょうぶ…」とチェーンを巻かずに車を走らせたり…

 

 

                  ちりとてちん

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