カメキチの目
自殺ではないが、そのあとの『相棒』(スペシャル版)も
とても考えさせることがあった。
①映像・②動機と二つ書きます(物語の流れそのものは詳しくは触れません)。
‐その前に‐
「映像」というのは「技術」の一種で、一般的な「物」。特定の個人の主体とは
関係ありません。
ところが、「動機」というのはまったく個人が主体としての「心」の作用です。
だから、人生というのは広い意味での「物」(客観的に存在する「技術」など、
個人を超えている存在)と私(個人)の「心」が織りなす物語だといえるのかな
と、今回の『相棒』をみて思いました。
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① 映像
新しい映画はみないけれど、『タイタニック』
物語を音楽と映像が盛りあげてくれた。
映像技術のスゴさは目を瞠らせた。
どこまでがホンモノ、どこまでがウソモノなのか?
警察ドラマでは、犯罪捜査でいちばん説得力があり
確実な証拠物件は「映像」といわれる。
だが、そのうち映像そのものがAI技術の進歩により
望むように創造・加工され、事実と虚実(フェイク)の
混在状態が(ネット情報の「玉石混交」状態のように)加速し、
真偽の判別が困難になりそう。
「玉石混交」状態は、ネット情報なら時間さえかければ玉と石ころを分けられる
けれど、未来のAIが絡んだ映像は簡単にいきそうにはない。
その技術によりフェイク映像が可能となり、犯罪へ応用されればアリバイ工作
ができる。犯罪の事実証明がむずかしくなる。
(今回の『相棒』はそうだったのです)
犯罪の予防、発覚後の証拠捜査のうえで欠かせない
防犯カメラだが、その映像の信頼性はいつまで…?
もちろん、警察も黙ってはいない。
そっちのAI技術に対抗してゆくに違いない。
そして、
犯罪者側との絶えることのないバトル、
「イタチごっこ」のおかげでAI技術の開発競争は
一層すすみ、(アメリカの軍事的な研究によってインターネット技術が
登場し、そのうち民間に波及したように)いずれ新技術も民間へ
解放され、私たちもその恩恵に浴する。
② 動機
犯罪は人間がおかす。
犯罪の原因、誘因となる「動機」(捜査では必ず物証とならび
動機が明らかにされる)が「人間を超える」ことはない。
「動機」は(善悪を超えても)人間的なのである。
今回の『相棒』は、天才的な能力で自分の思いどおりの画像加工・創造のAI技術を
発明した女性科学者が、恋人の男性が別な女性を好きになりそうなのに嫉妬し、
彼を殺す。
動機はなんのことはない、単なる「嫉妬」心だった。