(最後です)
⑩
友愛による経済とは
「(分業の意義)誰もが他人のために働くことは友愛にほかなりません」…
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⑪
(古代エジプトの農民はお金を)灌漑施設の整備や土地の改良にそそぎ込んだ…。
豊かさをお金の形でもたず、自分たちに長期的な利益をもたらすものに投資した
のです。
したがって、ナイル河流域は豊かな穀倉地帯となったのです。…
もしお金がマイナス利子のシステムのもとにおかれるならば、
社会は実現した富はなるだけ長期的に価値が維持されるようなものに投資される
ということです。…
対照的に、(普通の)プラスの利子の場合には、
より短期に利益をあげるものへの投資が優勢になります。よい例は日本の林業です
いまのお金のシステムだと、林業が割に合わないからです。
(注:太字・赤字はこちらでしました)
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■ ⑩ 「誰もが他人のために働くことは友愛に
ほかなりません」
「分業」というとふつうは狭い意味で使われるけど、
広い意味、社会全体にも使うことができると思う。
本来、「社会と個人」のあり方、関係そのものが「分業」的で「友愛」で結ばれた
ものではないだろうか。
もともとそうであったのに、目で見て誰にもすぐわかる「分業」という(身体に
たとえれば)骨組みだけ残り、「友愛」という血の流れのほうは置いてきぼりに
なった。
サービス業にはいろいろあるけれど、どれも人を相手にするので、「友愛」を
いやがうえにも意識させられる。
ところが第一次・二次産業では、食べたり着たり使う人との「友愛」は、意識して
笑顔を思い浮かべるなどの努力をしければならないのではないだろうか。
(「これは〇〇さんが作ったものです」という産直市場での札が付けられた野菜や
果物が大人気なのは、売買というお金のやり取りを通じ、買った人と〇〇さんの
「友愛」が行き交いされるからだと思う)
みんな自分と家族のために働いているのであって、
とくに「他人のために」のためと思っていなくとも、
自分のためにしていることが他人のためにもなって
いるとわかると、ちょっぴり嬉しくなる。
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■ ⑪ 「長期的な利益をもたらすものに投資した」
ナイル川流域の肥沃な土地が、自然の「氾濫」と人の手による「灌漑施設整備」が
もたらしものだとは学校で習っていたが、「灌漑施設整備」にお金が使われていた
ことは私は想像もしたことがなく、ビックリした。
お金が交換手段としてだけではなく、こんな大昔からすでに投資の手段としても
使われていたと知り驚いた。
日本の林業が挙げられていた。
「100年先を見すえる」という国土保全を含む広い
意味での経済(経世済民)の発想が強く求められている。
「災害列島」と呼ばれる日本。
大被害が繰りかえし起き、そのたびに尊い命が失われ、復旧作業が繰りかえされる
被害が少なくてすむよう、大きな復旧工事をしないですむよう根本的な対策を
施せばいいのに…(と思うが、それは土木にまったくの素人な人間の発想なのか)
しかし行政は、土木工事の需要が絶えては困るので災害も適当に発生してくれた
ほうがいいと、本末転倒のような考えをもっているのではないかと天邪鬼(私)は
勘ぐる。
〈オマケ〉
災害時にはヒーローに変身し、人助けに大活躍。
国民に喜ばれ頼もしく思われる自衛隊。
ぜひ「災害救助隊」に変身し、いつも国民のヒーローであってほしい。
(ひょっとして、男の子の憧れる職業NO1になるかも)