カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020.10.16 知性と「日本学術会議」

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日本学術会議」へ、政府の横やりがあった。

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 政治から独立していなければならないはずの科学・

学問への権力介入は大きなニュースなっている。

原発憲法改正のような国の政策にモノ申すような学者は不要という。

 

法律に基づいた「日本学術会議」は国と密接なつながりがあり、メンバーに

ふさわしいか否かを国が決定するというのはそれなりにスジが通っているが、

そういう理屈は中国や北朝鮮同じだ。

学門・科学上の考えが政治によって曲げられる。抑えられる。

政府は日本の政治の中国化や北朝鮮化を目ざしているのだろうか?) 

 

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日本学術会議」への政権介入がニュースになっていた頃、

『世界の未来』 エマニュエル・トッドほか著 という本を読んでいた。

 

「教育」、それが育むはずの「知性」というものについての著者の考えが

とても新鮮で、胸に響いた。

 

【引用】

私はむしろ高等教育自体が愚かしいものになり果てたと言っているのです。

高等教育が無用だと言っているのではありません。

それがもはや知性だとか創造性だとかを発展させるための教育ではなくなっている

という問題を指摘したいのです。

それはむしろ、体制順応主義、服従、社会規範の尊重などを促すだけの教育

なっているのです。…

 

この引用の前に、「高等教育」「大学」とひと口に言っても実態はさまざまで

それそのもの、高等教育自体の選別・差別化がはかられているという。

大学中の大学」から「高校に近い大学」まで) 

 

そして、エリート養成のための大学中の大学」で

体制順応主義、服従、社会規範の尊重などを促す

だけの教育を受けてきた学業成績優秀なる上級公務員試験合格者が、

国を支配する要職についていると批判する。 フランスも日本も同じらしい。

 

大半の公務員は真面目な方に違いない。

ただ、行政組織の一員、個人としての真面目は、モリカケ佐川のようなエリート、

高級官僚が上司ならば、自分が上司命令と国民との間のジレンマに苦悩し、あげく

死ぬことさえある。

 

日本学術会議」の問題が厳しく追及されるなかで、任命権者の首相が、任命され

なかった6名がどんな人なのかを知らなかったという笑い話が先日新たに明らかに

された。政府はどこまで笑わせてくれるのだろう?

 

(笑い話の事実は、野党などの激しい追及がなかったら判明しなかったことであり、

闇のまま「なかったこと」に終わってしまったかもしれない。恐ろしいことだ)

 

この問題は、そもそも政府(政治)の学問・科学への介入ということから始まった

のに、政府はこれを「混乱」と捻じ曲げ、この際、「日本学術会議」のあり方を

自民党だけで)検討しようと他の方向(これが本音?)にもっていく。

居直り強盗」という言葉があるけれど、まさにそれを地でいく。

そもそも日本学術会議」の存在自体が彼らには煙たい、邪魔なのだろう。

いい機会だから、この際いっきに潰すか、自分たちの都合のいいような傀儡に

しようということだろう) 

 

モリカケ佐川のような高級官僚には、知性(品性も)の一かけらも感じない

 

知性」とは?

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著者は、現在のフランス大統領マクロンを痛烈にこき下ろし、試験によって

選抜された高級官僚が幅をきかす自国フランスを「共和主義的エリート国」

呼んでいる。 

試験選抜というのは、ある意味で民主主義的で公正なようだが、公平、つまり

平等ではない。

(よく言われるように、実質は教育を受ける権利が平等には保障されていない。

わが家が貧乏な家庭の子弟は、大学は行きにくい)

見かけが公正・公平なような、そういう印象を与えるだけによけい始末が悪い。 

 

〈オマケ〉

クイズ番組の優勝者など「ものごとをよく知っている」とは思っても、物覚えが

よい、理解力に優れている、要するに「頭がよい(キレる)」ということであり

「知性」とはまったく無関係だと思う。

(頭の回転は悪くても、私にも「知性」の一かけらはあると自信がある。しかし

二になると自信ない)

 

 

 

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                            ちりとてちん

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