カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020.12.8 ガードマン・警備員

          f:id:kame710:20200815141541p:plain

 

 

寒くなった。

ふだんの外出は、必需品の買いものと身体のための(と写真撮影を兼ねた)散歩

くらいしかない。

  

 歩いていると、ガードマン・警備員の方(ここでは銀行の

大金や大きな店舗の売上金などの輸送にたずさわる人、身辺警護人はさしません)

をよく見かける。

ずっと前(障害を負う)までは、仕事でも私用でもよく車に乗っていたので

行動範囲がひろく、道路ぞいの工事・建築現場などで頻繁に見かけた。

 いまは動く範囲がきわめて狭いが、それでも外に

出たときはたいてい、歩行者の安全確保、車の誘導を

はかるため支持棒や旗を握っておられる姿に出あう。

私は心だけで感謝。だけどツレは頭もさげ、小声でつぶやくように「ありがとう

ございます」と言いながら、「早くはやく…」と手を引っぱり体を押す。

 

ーーーーーーーーーー 

世のなかの多くが貧しかった昔は(私が知らないだけかもしれないが)こういう

仕事はなかったと思う。

「セキュリティ」が大勢の人に注目されてきたのは、ドラマ『ザ・ガードマン』

「セコム」という警備会社のCMによってではないか(いずれにしても私のような

世間の変化にうとい者は、現実の姿ではなく初めはテレビによってであった)。

 

同じく「セキュリティ」には違いないけれど、『ザ・ガードマン』のイメージが

あまりに強かったので、警察まがいの犯人退治や確保はとうてい無理だと思われる

高齢者(ときには女性)の歩行者や車の誘導の仕事をする方も同じ「ガードマン」

「警備員」と呼ぶのにとまどった

しかし時代が進み初めのころの強盗予防という特殊なものから、国民の事故予防

安全確保という方向にセキュリティも拡大した。

                         

                        f:id:kame710:20201205115925g:plain

11月29日の「朝日デジタル」にこんな記事があった。 

【引用】

 街のそこここに立ち、車や歩行者を誘導する警備員の人たちには、年齢を

感じさせる人が目立ちます。
 警察庁が毎年発表する「警備業の概況」によると、全国57万人の警備員のうち

70歳以上が15%を占め、7人に1人以上になりました。


「80歳までに1千万円ためる」ことを目標にしていたが仕事中に病に倒れた

69歳の男性。出版不況と放漫経営で生活苦に陥り、68歳で働き始めた敏腕出版

プロデューサー。

懐中に1500円しかない状態で採用され、生活を立て直した77歳の男性……。

12歳サバ読んだ80
 千葉県に住む千代榮一さん(85)が、今春まで所属していた警備会社の面接を

受けたのは、80歳のときでした。「働かせてくれるのは75歳までというから、

一回り、サバを読んで昭和22年生まれにしたんだ」と千代さんは打ち明けて

くれました。

 2020年4月まで働いていました。職場は、千葉県内のパチンコ店で、駐車場に

出入りする車の誘導が主な仕事。午前7時半から午後3時半までの早番か、

午後11時半までの遅番で月20日働き、18万円ほど稼いでいました。

 もともとは左官業を営み、最盛期には80人の職人を束ねる親方でした。

大手ゼネコンの仕事を請け負って、東京タワーや都内の有名劇場などの建設に

携わりました。

 だが、連帯保証人となった同業者の負債を肩代わりするため自宅も手放す…

年金はありますが、娘と暮らすアパートの家賃と生活費の不足分を補うために、

働き続けることが必要だったのです。

 警備会社に就職して半年ほどたって、税務署から「生年月日が違う」という

指摘があり、年齢を偽っていたことはバレました。だが、それまでの真面目な

仕事ぶりが評価され働き続けられました。

 「監視カメラにいつも映る位置に立つんだ。そうすると店のマネジャーも

安心してくれる」と千代さん。

 しかし、コロナ禍で職場だったパチンコ店が休業を余儀なくされ、

会社もやめることに。その後、ハローワークにも通っていますが、

「年齢の壁」のせいで仕事が決まりません。高齢者歓迎の求人でも、

「75歳が上限」が多いといいます。

 「仕事があれば何でもやるよ。元気でシャンとしているんだから」と

残念そうに話す千代さん。背筋はまっすぐ。しっかりした足取りで歩く姿は、

70代にしか見えません。


大変じゃない仕事なんてない
 社員33人の「都市総合警備保障」の社長、設楽三恵さん(63)が率直に

語ってくれました。

 警備員の中には、「他で使ってもらえないから、仕方なくここで働いている」

という人もいます。「底辺職」イメージにとらわれている人がいるのも事実です。

それが働きぶりにあらわれると、はたからは十把一絡げで「そんな仕事なんだ」と

見られてしまう。その悪循環をどうすれば打破できるのでしょうか……。

 設楽さんにクギを刺されたのは、

「警備の大変さをことさらに強調しないで欲しい」ということです。

警備員たちが頑張って仕事をしている姿を知ってほしいという思いはある。

一方で、「雨でも雪でも立たないといけないキツイ仕事」というイメージが、

求職者に「ほら、やっぱり大変なんだ。自分がやるのはイヤだなあ」と

思わせてしまい、人材確保をはばむ要因になってきたからです。

 「世の中、大変じゃない仕事なんてないですよね。みんな、今の仕事を頑張って

生活しているんですよ



 コロナ禍で、エッセンシャルワーカー(必要不可欠な労働者)や

アンサングヒーロー(うたわれない英雄)という言葉がクローズアップされました

 「そこまで大げさに考えなくてもいい。必要とされている仕事があり、

その仕事をしている自分は必要とされている。その誇りが自信につながり、

仕事ぶりに表れたらいいんです」。

そうすれば、世間の見方も変わり「悪循環」を断ち切ることにつながる

のではないか……。設楽さんは、そう考えます。


 85歳の千代さんは言いました。「警備員は立ってることが重要なの。

居てもいなくても同じじゃない。人がいれば、車も歩行者もみんな気をつける。

仕事に意味があるからお金をもらえるんだよ

 警備の仕事の一部はすでにロボットに代替されています。

ただ、工事現場などに人が立っていることで、えもいわれぬ安心感を持った経験は

ないでしょうか。そんな感覚を大事にすることは、働きやすく生きやすい社会への

第一歩になる気がするのです

 

(注:下線はこちらでしました)

----ー

記事を読み、何度もうなづいた。

 

「障害がのこるよ」と主治医から言われたとき、障害者の共同作業所で野菜でも

洗うか(入院していた病室をきれいに掃除してくださる方をみて)清掃の仕事に

就こうかと考えたことがあった。

(そのときは、非常時に障害があっては活躍できないので警備員・ガードマン

選択肢になかった

 

私の理想は、「同一労働=同一賃金」を越して「労働=同一賃金」の社会に

なること。

どういう仕事しても、それがみんなに求められる仕事であるならば、それに携わる

労働には同じ対価が支払われればいい。

 

 

 

               f:id:kame710:20171029114701j:plain 

                       ちりとてちん

 



<