カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2011.1.26 労働者・…ギャンブル

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今回からは「第2章 日本人の未来が売られる」です。

第1章が日本の自然という資産であったのに、日本人の生活そのものです。

 

1 労働者、2 仕事、3 ブラック企業対策、4 ギャンブル、5 学校、6 医療

7 老後、8 個人情報とあり、きょうは1~4

(5学校からは次回。なお6医療は前に「国民皆保険」のことを書いたので省きます)

 

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政府(行政)は、よほど重要なことでない限り(重要か否かの判断は自分たちでする)

「〇〇法案」という形で国民に問うて(国会審議を経て)成立させるのではなく、

そっちのほうが手続きが面倒くさくなく+「スピードを持って」迅速に行える

ということで、「▢▢審議会(委員会)」や「△△諮問会議」やらで専門家から

意見を聞いたということで政令「省令」というものを出す。

実はこれらが何という曲者であることか!

(どんないい法律ができたとしても、実際の細かな手続き、運用は「政令「省令」にまかされ、

官僚にゆだねられ、「骨抜き」にされる恐れがある) 

 

【引用】

1 労働者が売られる 

(「高度プロフェショナル制度」を盛り込んだ、2018年5月31日に可決された

働き方改革法案」は)もはや長時間労働が原因で死んでも

「過労死」とはみなされないので、統計上の「過労死」が減るという、

まさに雇う側と政府にとっては一石二鳥の法律だろう。…

竹中平蔵の言葉)「時間内に仕事を終えられない生産性の低い人に、

残業代という補助金を出すのは、一般論としておかしい」…

代わりに「時間でなく成果で評価する」高プロを入れれば、

そういう社員の生産性が上がるだろうというわけだ。…

(「高プロ」は、野党の追及に当時の安倍首相がいみじくも答えたように、

「労働者のニーズではなく、経済界から制度創設の意見があったので作りました」

とのこと。労働者のニーズで作ったという「働き方改革法案」は実は

雇う側の要望で作った「働かせ改革法案」だった。高プロの)対象職種はこれから

決められる…

職種は金融関係者や専門家だけでなく、厚労省がこれからいくらでも広げられる。

ちなみにこれは国会を通す必要がない「省令」

86年に導入された労働者派遣法の対象が、いつのまにかどんどん拡大され、

99年には全職種派遣OKになっていたように。

派遣社員の働き方は労働基準法で守られるが、高プロ社員は労働基準法の適用外

 

2 日本人の仕事が売られる

老後は誰に介護してもらいますか? 

2016年11月18日。

竹中平蔵氏が毎回出席する国家戦略特区諮問会議の提案で、外国人労働者

受け入れ分野に、「介護」を加える法改正が成立した。

外国人技能実習生なら最低賃金で雇うこともでき、それによってさらに

日本人介護士の給与も引き下げられてゆく。

2017年2月。

国家戦略特区諮問会議は、サービス業で働く外国人労働者在留資格

取りやすくするよう、取得条件を緩めることを決定した。…

いつものように、最初は特区内でスタートするのが良いだろう。

未だに「国家戦略特区」はよく知られていない… 

いよいよ本命「移民50万人」解禁だ!

2018年6月15日。

政府は「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)で、ついに2025年までに

50万人の外国人労働者を受け入れる方針を発表した。

 

3 ブラック企業対策が売られる

ブラック企業を取り締まる、労基署を民営化せよ

この命づな(労基署)が危機に瀕していることを、国民は知っているだろうか?

現在全国に勤務する労働基準監督官の数は、3241人だ。その半数の約1500人で、

5000万の労働者のために、全国400万軒の事業所をチェックする。

どう見てもマンパワーが追いついていない。

「人出不足?では民営化しましょう」また、これだ。猫も杓子も民営化…

労基署の機能を民営化する手法そのものが、国際法違反なのだ。…

公的機関の人員を、大至急増やすことが先決だろう。

高プロと移民50万人計画だけが先に導入され、過労死チェックが追いつかない

まま一部の人々の民営化万能論みよって、日本人と外国人、両労働者の安全が

危機にさらされている。

 

4 ギャンブルが売られる 

「自分はパチンコもカジノもやらないから関係ない。

ギャンブルで人生を棒に振る人は自己責任でしょう」

「それより巨大リゾートができるのが楽しみです」

テレビが紹介する町の人々の声に、危機感はない。

だが国内にギャンブル場が増え、依存人口が増えるとどうなるか?

その地域は治安が悪くなり、犯罪率も上昇する。

本人や家族が貧困になれば、生活保護や医療費などの社会保障費がかさみ、

そのしわ寄せは普通に働いている、ギャンブルをしない人々の肩に

のしかかってくる。…

客が外国人だろうが日本人だろうが、カジノ設立で笑いが止まらないのは、

運営業務を引き受ける、外資を中心とした大手エンターテイメント業界の面々と

ウォール街の投資家たちだ。…

〈(2025年に開催予定の)「万博」と「カジノ」

セットにすれば、(カジノ建設の)資金の問題は解決するではないか。

万博ついでにカジノを建設 

大阪府は、カジノ用地の埋め立てや橋や鉄道の整備を、万博用の公費770億円で

肩代わりさせる構図に違いない…

大阪がマネーロンダリング天国になる!?

 

(注:黒字の()〈〉、下線はこっちでしました)

 

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・私の周囲には今は「過労死」しそうな者や「高プロ」のような専門的な仕事に

たずさわる者はいないが、先はわからないし、自分に直接関係なくても気になる。

人を相手にする福祉の仕事を退職して何年にもなるが、専門的ではあっても福祉は

高プロ」の対象とはならないのだと思うが、竹中平蔵

「時間内に仕事を終えられない生産性の低い人に、残業代という補助金を出すのは

一般論としておかしい」代わりに「時間でなく成果で評価する」高プロを入れれば

そういう社員の生産性が上がるだろう」と言っているし、福祉の現場(医療はもっと

そうだろうが)は生きた人間を相手にするのだから残業は常態になっている。

「生産性」とは無縁の職場にも、国会を通す必要がない「省令」によって、

(介護や看護も専門職なので)遅かれ早かれ高プロ職になるかもしれない。

(古いせいか私は、「平蔵」という名前を聞くと「平次」、昔はやった『銭形平次』という十手捕り物

時代劇を思いだす《大川橋蔵という役者のはまり役だったので、「平次」+「橋蔵」と頭のなかで勝手

変換されたのかもしれない》。悪者に銭を投げつける平次親分の得意技。銭で「銭がすべての平蔵」

やっつけてくだせ!)

 

・しばらく前からよく聞くようになった「外国人留学生」「外国人実習生」

(もっと前からは日系ブラジル人」など)の実態についてのルポルタージュ

つい先日読み、唸ることが多かった。

                 ↓

「留学生」も「実習生」も言葉の聞こえがよく、前者は勉学、後者は日本の先進的な技術を身につけ

母国に持ち帰って発展に寄与するという、建て前としてとても崇高な目的をもった法制度がつくられ、

外国人受け入れが始まったが、その実態は、受け入れの日本側としては体のいい人手不足対策であり、

発展途上国側には「出稼ぎ」なのだ。

「留学生」のほとんどは「偽装留学生」(勉学でなく就労が目的。とくにベトナムの若者が多い)で、

「留学」である限り「日本語学校」への入学は必須だが、留学生たちは先ずここで搾り取られる。

(悪質な日本語学校が非常に多い。その前に彼らは母国を旅だつ前、現地ブローカーに、渡航

日本語学校への入学するための全費用としての150万円くらいを工面するために、親たち家族が

家屋土地を担保に借金しており、搾取は母国ですでに始まっていたといえる

次にさまざまなアルバイト先で搾り取られる。

夢は早々に破られ、犯罪に走る留学生が後をたたない。

最近のニュースで「豚が盗まれ食べられた」「その犯人はベトナム人の留学生だった」というのが

あったけれど、もっと前にも同じようなニュースがあり、このときはヤギだった

 

私にとって生の外国(人)体験といったら、外国へは行ったことがないので

5個くらいしかない。

①生まれ育った地方にも、子どものころは近所に朝鮮の人がおられ、親しくして

いたけれど(後に知ったが、北朝鮮の帰還運動で)帰国された。

②同じく子どものころ。夏休み、子ども会で近くの川で泳いでいたとき、近所の

ブラジルに移住したという一家が里帰りで、そこの息子が泳ぎにきていた。

③若いころ、職場の同僚の女性が好きな男性が朝鮮人で、親に反対され結婚を

諦めた話を聞いた。

④勤め先は児童福祉の職場であった。90年代半ばごろから中国人やフィリピン人

の親子に関わるようになった。

⑤2、3年前までは旅さきで中国人や韓国人をとてもよく見かけた。観光客ばかり

でなく働いている方も。

 

先のルポルタージュ本の最後のあとがきに、

政治に無関心ではいられるけれど、無関係ではいられない

と書かれてあったのがいつまでも心に残った。

 

・「労基署を民営化」。

こういう話があること自体を初めて知った恐ろしいことだ。

 

・「万博ついでにカジノを建設 」。

なるほど、大阪(正確には「大阪維新の会」などの政党や大企業経営幹部たちか)に万博を誘致

おまけにカジノか。

なるほど、万博が先になければならないわけか。

(オリンピック関係者は、東京オリンピックパラリンピックを開催し、その場で高らかに

「人類はコロナに勝った」と宣言したいのだろうが、情勢はきびしいようだ

 

 

 

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                             ちりとてちん

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