あまりにすばらしいテレビドラマをみた。
『ガラパゴス』という。
NHKのその番組HPには、
働くこと。生きること。誰もが、幸せになっていいはずだ。
団地の一室で発見された、青年の遺体。
自殺とされたその死は、大きな悪の構図によって仕組まれた殺害だった。
刑事は、ある派遣労働会社の謎へと鋭く迫る!
とあった。
残念なことを一ついうなら、BSプレミアムの番組だったこと。
(いつか総合で放送されてほしい。されたら是非とも見てください!)
ともかく、見ごたえのあるほんとうにすばらしいドラマだった。
(原作は本。活字という味気のない媒体で表された物語が、すべてが音や映像をとおし、
つまり動画として生きているかのように表現する映画やテレビの力を、あらためて痛感)
この物語、作品は、現代日本の数々の社会問題のうち、「ある派遣労働会社」と
その派遣労働がなければ成りたたない産業、経済という核心をつく。
(政治との癒着という核心も)
私はNHKで作られたということに驚いた。
NHKは国営放送局ではないけれど実質はそうで、「不偏中立」の看板をかかげ
「公正」をよそおい、国民に悟られないよう工夫して権力に迎合する。
そう思っているのに、たまのことでも、それを見事に裏切った反骨番組が作られ、
放送されることがある。
原作者は相場英雄。これは、その人の同名の小説がテレビドラマ化されたものだ。
ドラマを見ていて、あっ、これは〇〇(実際の大企業、人材派遣会社、下請け会社など)
のことだなぁ、そういうことあるだろう、と想像させてくれた。
企画から制作に携わったすべてのスタッフ、演者、関係者の思いが
とても熱く伝わってきた。
(見終わって思わず、「ありがとうございました」と心でつぶやいた)