カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2023.3.10 『舞いあがれ』

「朝ドラ」というNHKの番組を見るようになったのは脳外傷を負い、時を同じく

胃ガンにもなった2006年からのこと。

退院前の栄養士さんの指導で、胃を全摘した者は食べた物がドロドロになるまで咀嚼、できるだけ

食事に時間をかけてと言われたこともあり朝食と朝ドラ視聴の時間が重なり、食べながら見るのが

習慣となった。

それに、仕事への復帰はリハビリ勤務《「戦力」にはならず》で身体の都合に合わせて働く時間を

決められので、見る時間がとれた)

退院後、長いあいだ読書は身体が受けつけず、テレビなら大丈夫だった。

 

翌年、ちりとてちん』があった。

ある女性が福井から大阪に出て落語家になる話でおもしろく、強く印象に残った。

『ちり…』なみのおもしろさを期待し、それからは、朝ドラ鑑賞が朝食どきの

ルーティンみたいになった。 

 

         

             (グーグル画像より)
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もうすぐ終わるけれど、今やっているのは『舞いあがれ』という。

私としては『ちり…』以来のおもしろさを感じている。

 

初めからおもしろいと思ったわけではない。

ずっと見てきておもしろくなったのだ。

主人公、舞ちゃんがさまざまな苦労やドタバタをくり返し、当初の夢、

パイロットになる目的を努力によって叶えてハッピーエンド、という物語と

想っていたが、まったく違った。

 

舞ちゃんは、お父さん亡きあとお母さんが継いだネジ製造の町工場を、

社長のお母さんの心ばかりではなく、従業員という手足にもなって支えてきた。

彼女は何かの縁で自分とつながったさまざまな人たちの誰かが元気がないと、

気になってしかたがなく、いっしょに悲しみ、何か自分にできることはないかと

考えてしまう。

(舞ちゃんは根が仏さまのような人なのだ。

これはドラマ、現実に舞ちゃんのような人はいない、いても滅多に出逢うことないと思うけれど、

「自分もああいう人になりたい」と感じる人は、私のような高齢になってもいる。

 

物語は、舞ちゃんは具体的な夢、小さいとき飛行機にあこがれてパイロットになったが、空を飛ぶ

ところまでは叶えられなかった。

が、さまざまな経験をし、自分にとっていちばん大切なことを見つけ出す)

 

          

               (グーグル画像より)


今、彼女は自分の町工場もある東大阪全体の町工場が下請け、孫請けという形で

これまでのような大企業など「上位」の会社と「下位」として縦につながるだけ

でなく、町工場同士が対等の立場で横につながり、そうすることでその町工場が

もっている独自の優れた技術を活かし、それらの技術を組み合わせ、それに

現代の生活にマッチしたアイデア、デザインを加えた新たな製品をつくり出す

会社を起こした。

(100円ショップの優れた商品の数々を連想した。もっと高く売ればいいと思う物がいっぱいある。

それに、100円の製品同士が組み合わさったら、さまざまなデザインになり、用途が広がったものが

できるのになあ…とも思った)

 

ドラマの初めごろ、物語の進行にどう関わってくるんかい?と首をかしげていた

主人公の兄(出番が少なく影が薄かった。長じて投資家に。「人生はカネ」がモットーだったが

順調だった投資がはずれてどん底に墜ち、舞ちゃんたちの助けで今は180度変わったよく出る

ようになり、話が盛りあがってきた。

「投資」のこと、自分の仕事のことについてあるとき妹の親友に言う。

ただお金をもうけるのではなく、そのお金をほんとうに社会の役にたつことを

しようとしている人たちを応援する」

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ひと口「朝ドラ」といっても、それこそ多様だ。

 

朝からいい気分でいたいとほとんどの人は願うだろうから、

朝ドラは、舞ちゃんのような、人間っていいなぁと素直に感じられるものがいい。

 

 

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                            ちりとてちん

 

 

 

 

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