『問題があります』 佐野洋子・著 を読んだ。
あれとは月。
佐野洋子さんといえば(私は読んだことないが題名は聞いたことがある)有名な絵本
『100万回生きたねこ』の作者だ。
エッセイをたくさん書かれている。たまたま『問題があります』に出あった。
その中の一つの話の「お月様」
「一番嫌いな写真はふくらんだ銀色のフーセンみたいな洋服(?)を着た人間が月面を歩いている
写真だ。
テレビで見たときも、「あんた、何しに行ってるの、用もないのに」としか思えなかったが、
男たちは興奮していた。…
あれは見るものである。
この地上に現れた人間が何兆人いたか知らないが、全ての人間が月を見てあれこれ思いにふけったり、
ただボーっとしていたのだ。あるいは満月に狼男が吠えたり、満ちかける月をカレンダー代わりの
実用にしたりで何の不便があったのか。…
人にはやってはいけない事がある。そして人はやってはいけない事ばかりしたがる。
しちゃうと当り前になる。…
つんのめって先走る現実に、もう私は息切れがしている。
ほら、月は昔を思い出すためにあるのだ」
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いまの自分は強く共感するけれど、多くの人も…と勘違いしてはいけない。
「あんた、何しに行ってるの、用もないのに」
用がないなら(つまり目的がないなら)、つくり出せばいい。
(広告・宣伝・CMみたいに、欲望を駆り立てればいい)
「人にはやってはいけない事がある。
そして人はやってはいけない事ばかりしたがる。
しちゃうと当り前になる」
人には「無限の可能性」がある。
(「可能性」は「無限」ではあっても、そんなことしていいのかな?と迷うことがある。
「人類」としても「個人」としても。
「赤信号」も「皆で渡れば怖くない」か…)
「月は昔を思い出すためにある」
枝豆や 三寸飛んで 口に入る 正岡子規