カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2025.2.4 2050年、日本は持続可能か?

前回は肝心の本の話に移ろうという段になり、トランプの顔が頭をちらつき始め

そのつもりはなかったのに感情にまかせ吐き出すように、彼の悪口など書いた

アメリカ国民ではなくともこれからの4年間が気になる

 

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著者のものは前にも読んだ。

(それがよかったのでまた読んだわけです)

 

専門は「公共政策」「科学哲学」とのことだが、社会のさまざまな問題を

生命、死など人生の視点から深く切り込む態度・姿勢に強く惹かれる。

(この本も期待にたがわず本当によかった。

日本の社会のあり方が、多岐にわたる観点からたくさん述べられていた。

どれも紹介したいのですが、いちばん感じたことだけに絞って書きます

 

     


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主題は「2050年、日本は持続可能か?」

自分は死んでるけど、安らか穏やかな日本、地球でありますようにと祈らざるを得ない)

 

「序論」で、本全体の基本的な問題点が三つ述べられる。

①財政あるいは世代間継承性における持続可能性

 

 ②格差拡大と人口における持続可能性

 (著者は「90年代半ばというのが日本社会のある種の転換期」という。

 「1995年を谷として生活保護を受ける人の割合は増加の一途」とのこと。また、

 「雇用の不安定」が始まり、「若者に対する社会保障その他の支援が国際的にきわめて手薄」)

 

 コミュニティないし「つながり」に関する持続可能性 

 

(三点を挙げたのちに、著者は自分の考えだけではなくAIも利用して日本の未来を予測してみた。

そのAIによっても「2050年、日本は持続可能か?」という日本社会の未来シナリオ」は、

「都市集中型」か「地方分散型」が最大の分岐点」だとのこと。

つまりこのまま「都市集中型」を続けるなら持続は難しいということだ

 

 一般に、ヨーロッパの都市においては1980年代前後から、都市の中心部において大胆に

 自動車交通を抑制し、歩行者が”歩いて楽しめる”空間をつくっていくという方向が顕著…

(いま話題の「スマートシティについて、「日本の「スマートシティ」構想は経済の効率化や

 省エネといった視点」だが「ドイツの場合は”人間の顔をしたスマートシティ”」という)

 

 地方都市の空洞化や、”シャッター通り”化、農村の過疎化といった問題は、…

 「人口減少社会」それ自体が原因なのでは決してない。…政策選択や社会構想の問題

 

(続いて著者は、「日本の状況-アメリカ・モデルの信奉と帰結ということで述べる)

アメリカ社会は)まず街が完全に自動車中心にできており、

 歩いて楽しめる空間や商店街的なものが非常に少ない。…

 皮肉なことに現在の日本の地方都市の空洞化は、国の政策の”失敗”の帰結なのではなく、

 むしろ政策の”成功”、つまり政策が思い描いたような都市・地域像が実現していった結果

 という側面をもっている

 

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持続可能性」という言葉を聞くと、私たちはほとんど反射的に、

世界・地球規模の環境変化や資源・エネルギー問題など、

「自然」の問題を頭に浮かべるけれど、

身のまわりの「人間の集まり」、つまり「社会」のあり様にも

目を向けなければならないと感じた。

 

(地球の「危機」とばかり、自然環境の方にばかり注意を向けらされ、もちろん根本的には

それに規定されるけれども、肝心の生活が営まれる現場「社会」のあり様・あり方、社会環境に、

私たちが疑問の目を向けるのが都合が悪いので、《「陰謀論」ではないが》誰かに意図的に目を

そらされている、あやつられているのではないかという気がしてくる)

 

「50年後」「100年後」(本では25年後)とよく言うが、

「○○年先」と言われてもねーという気持ちになる

50年はまだしも100年くらい遠い先のことを言われるといつも感じてしまう。

「人類は続いているだろうか」と

(続いてほしいが、世界の現状を見れば安心できない。

100年もあれば人間は賢くなれるかも…と楽観するけれど、

同時に100年持たずに自滅している気もし複雑…。

ごくごくごく…∞…一部の人間が「宇宙移住」によって生き残り…という筋書きもありはするけれど

そんなの実際どうでもいい話)

 

    


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私がいちばん気になるのは、「格差拡大と人口における持続可能性」だ。

 

君はなぜ、苦しいのか-人生を切り拓く、本当の社会学石井光太著という本では

日本の完全失業率は、近年2~3%台であるにもかかわらず、なぜこれほど相対的貧困率

高いのだろう」と問い、「原因は雇用形態にある。…正規雇用の人の割合が非常に大きい

という。⇒「正規雇用者の平均収入 508万4000円 正規雇用者の平均収入 197万6000円

こういう現状に国が対策をしていないわけではないのに「グローバル化、情報化のスピードの方が

圧倒的に速い」とのこと。

つまり、希望者には正規雇用を義務づけるなど、現状の非正規雇用制度の根本にメスを入れるような

改革をしなければならないのに、法定最低賃金を少し上げるなど瑣末な制度改善に終始している。

在の日本では、年収2500万円以上の富裕層の割合は、0.3%だ。一方で、年収200万円以下の

ワーキングプアと呼ばれる人たちがはおおよそ5人に1人に当たる22.2%(2020年)

 

私は数字や統計が苦手で本を読んでいても飛ばすことが多く、これまで読んだ本にも載っていた

筈なのに、初めて知ったようにこの具体的な数字を知って驚いた。

《この本は中学生向けで、とっても親切ていねい、わかりやすく書いてあるものだった》

 

このブログで何度もなんどもしつこく書いているけれど、社会で暮らす、

生活する上での収入に、あまりに大きい経済的格差があり、

貧困が存在するのはおかしい。

 

若かったとき、「革命」といわれるような急激ではなくても、社会の非は《緩やかにでも》

いずれ糾される、社会はよくなっていく、暮らしやすくなると信じていた。

いま振りかえれば間違ったやり方とはいえずとも、あまり効果がないやり方だったかもしれないが、

自分なりそれなりには社会改革「運動」に関わってきた。

ところがまさか、

日本全体、どこにいてもだいたい同じレベルのサービスが享けられていた国鉄がなくなり民営化、

郵便局も民営化されるなど夢にも思わなかった。

人間は材料ではあるまいに「人材派遣」という会社、昔のピンハネをこんどは国が合法的に復活させ

ようとは。

参った」

とは言うものか!)

 

これもしつこく書いているけど、ヒトという動物が進化のピラミッド構造の

頂点にあるのは、生き続ける、生き延びるために仲間で力を合わせ、

「お互いさま」と助け合ったからこそ、ヒトは人間に進化した筈だった。

(自分の子孫を残そうと、続けようと、雌をめぐって死闘する普通の動物の雄に自分を重ねると、

私なんか他人《男》より能力が劣るから敗残、早々と戦線離脱の羽目になることは必至だ。

 

こんなことを考えていたら、またぞろトランプが頭を掠めた)

 

 

 

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                           ちりとてちん

冬の水 一枝の影も 欺かず  中村草田男

 

 

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