今日は
① 正常に「狂う」
② 「降り積もる」
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①
「〈「正常に「狂う」〉
(著者の仕事は、「この社会に存在する数々の問題について『言葉という視点』から考える」
だから、「正常に「狂う」」という言い方は、何らかの社会の問題を上っ面だけでとらえず、
深く掘り下げて考えてみること。たとえば、
ハラスメント行為を受けた人に対して、普通は)
やめてって言えばよかったのに(と言いがち。だが)…それはかたちを変えた自己責任論…
こういった言葉に、どれだけの人が黙らされてきたのだろう。…
(被害者は「やめて」と言えなかった自分が悪いと責め、何も言えなくなる)
ハラスメントというのは「個人的な問題」だと思われがちだけど、…
会社とか組織の在り方が問われる「社会的な問題」」
②
「〈降り積もる〉
言葉には「降り積もる」という性質がある。
放たれた言葉は、個人の中にも、社会の中にも降り積もる。
そうした言葉の蓄積が、ぼくたちの価値観の基を作っていく」

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① 正常に「狂う」
「正常に「狂う」」という言い方にドキンとした。
(ただの「狂う」だけなら自分を思うけど、ここではカッコ付きでいわれている。
初めに書いたように「何らかの社会の問題を、… 深く掘り下げて考えてみる」こと。
「常識」「普通」の見方でなく、ちょっと「狂」ったか?と人に思われるくらい、
社会を疑るくらいの目を持たなければならないということ。
そうしてみると、見えなかったことが見えてくることがある。
ずっと昔は「ハラスメント」という言葉がまだなかったので《自分が被害を受けていても
意識されなかったということではなく》、実際そういう嫌がらせを受けた思いがないので
私は自分の問題として「ハラスメント」を考えたことがなかった。
あくまで他人ごとだった)
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「ハラスメント」とは、
(ネットによれば「嫌がらせや迷惑行為全般を指し、相手に不快感や不利益を与え
尊厳を傷つける行為
職場おいてはパワーハラスメント(パワハラ)セクシュアルハラスメント(セクハラ)
マタニティハラスメント(マタハラ)などが問題視されています」
さらに、「被害者に精神的・身体的な苦痛を与え、就業環境を悪化させるだけでなく、
周囲の従業員にも悪影響を及ぼすため、企業は防止対策を講じる必要があります」)

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② 「降り積もる」
「言葉には「降り積もる」という性質がある。
放たれた言葉は、個人の中にも、社会の中にも降り積もる。
そうした言葉の蓄積が、ぼくたちの価値観の基を作っていく」
「降り積もる」という表現にもすごく刺激された。
放たれた言葉は、続けば降り積もる。
(「降り積もる」という言葉を不気味に感じた。
いつもいつも「お前はバカだ!」「ダメな人間!」だと言われたら、真面目な人は本気で
自分はバカなんだろうかと暗示にかかったようになり、生きるうえでいちばん大事な
「自己肯定感」「自己尊厳感」が削がれていく。
自然は人に災害をもたらしても、降り積もってもいつか雪は消え、川のようになった道、
田圃の水も引く。
しかし、言葉は降り積もり、心の傷は忘れない限り消え去らない)
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ある言葉に「何かオカシイ…」「ヘン…」と違和感を感じても
何故?と考えることもなく、ましてや何か言う(問題にする)のは
面倒くさく、その言葉にいつの間にか馴れっこになり、
意識されることもなくなる。
そうして、「そうした言葉の蓄積が、ぼくたちの価値観の基を作っていく」
怖いことだ。
(あの戦争の「チャンコロ」とか「鬼畜米英」とか「神国日本」とか「八紘一宇」とか
「一億総玉砕」…
言葉は「言葉」だけで終わらない)

月を待つ 立待月と いふ名あり 虚子