カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2024.7.23 階級というものは… 年寄りは…

佐野洋子さんの『問題があります』の続き(終り)です。

 

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(中学生のとき佐野さんが『アンナ・カレーニナ』を読んでいて思ったこと)

階級というものは、国籍の違いよりももっと大きい。

 

「年寄りは年寄りでいい」

(「アンチエイジング」のCMに出てくる若者みたいな年寄りやマスコミの元気・活気にあふれた

老人を称える記事や報道に対して)私はみにくいと思う。

年齢に負けるとか勝つとかむかむかする。

年寄りは年寄りでいいではないか

 

    


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さいころから本の虫だった佐野さんは、目に入ればどんな本でも読んでいた。

子どもが理解するにはあまりに難しい小説、たとえば同じロシアの『罪と罰』も

わからないなりに読まれた。

 

罪と罰』も『アンナ…』も読んだことないが、佐野さんが子ども心に

階級というものは、国籍の違いよりももっと大きい」と感じたのはわかる

ような気がした。

階級」についての詳しい意味はわからないでも、「お金持ちと貧乏人くらいの

違い」と感じたのかも。

 

世界遺産』のような番組で人類の文化遺産を見ていつも感じることがある。

文化遺産といわれるだけあって、建物などの構築物も工芸・美術品などの装飾も、

国籍の違い」を超えてすばらしいが、すべて、金持ちである王や貴族、支配者に

命じられた貧乏な民衆、被支配者の手によってつくられたことを。

 

    


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年寄りは年寄りでいい」。

人間は生物の一種の「ヒト」だから、老いるのが自然の姿で、あり様だ。

アンチエイジング」は、月に行く人間の好奇心、欲望といっしょのようなものかもしれない。

佐野さんは「月は見るもの」と言い、アンチ「アンチエイジング」で、私も共感するけど、

月に行ってみたい、齢は取りたくない、いつまでも若くありたいという気持ちもあるかなぁ)

 

ところで、「死ぬ時節には、死ぬがよく候」という良寛の言葉を思い出した。

(この7月10日は私の「生還記念日」。

障害者になったといえ、救急車で運ばれて死なずに終わり、現代医学のせいで私は助かった。

そういう自分の「運命」みたいなことを思うと、救急車どころか、一人で木を剪定していて落ちて

気を失っていたところを発見してくれた同僚の存在がなかったら…など、あれこれいろいろ想像すると

命の不思議、危うさ、気まぐれを痛感せざるを得ない。

ホント、「「死ぬ時節には、死ぬがよく候」

 

 

 

 

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                          ちりとてちん

羽出すと 思へば飛びぬ 天道虫  高浜虚子

 

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