カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

禅語

2023.3.21 「脚下照顧」

(また、連続朝ドラ『舞いあがれ』から) 最近の場面が印象にのこった。 (いまでは主人公舞ちゃんは幼友達の貴司くんと夫婦となり、プライベートでも幸せな日々を すごしている) ある風の強い日、停電になり、蠟燭をともして貴司くんと肩をならべていたと…

2022.1.1 松無古今色 竹有上下節

明けましておめでとうございます。 松無古今色 竹有上下節 まつにここんのいろなし たけにじょうげのふしあり (禅の言葉はほんとうによくできていると思う) 松も竹もめでたいとされているけれど、そのめでたさの特徴をうまくつかんで みじかい言葉にあらわ…

2021.9.10 不雨花猶落…

不 雨 花 猶 落 無 風 絮 自 飛 (あめならずして はななおおつ かぜなくして いとみずからとぶ) 雨が降らなくても花はいつか落ち、風が吹かなくても絮(柳の種で白い毛があり「柳絮」 リュウジョと呼ばれる)は、自ずととんでゆく、ということ。 (グーグ…

2021.6.4 壺中一壺の天

前回、あんなことを書いたので、久しぶりに禅語を書こうと思った。 (禅語も本から教わったので「読書感想記事」か) 広い意味での禅語は、狭い意味の「禅の言葉」に限らず「仏語」(「フランスご」 でなく「ブツご」)はもちろん、中国の名詩からとった言葉…

2021.1.1 無事

明けましておめでとうございます。 ことしもよろしくお願いします。 ちょっとした人生の危機にあった自分が救われたのは禅語のお陰で、禅語の紹介・ 発信がそもそものブログを始める動機だったのに、最近は読書感想ばかりでした。 (しかしよく考えれば、禅…

2020.8.25 随所に主と作れば 立処皆真なり

随所に主と作(な)れば 立処皆真なり (ずいしょにしゅとなれば りっしょみなしんなり) この禅語は3年前にも書いているので再登場。 (3年もたてば読んでくださる方も大幅に変わっているし、自分のこの言葉への 思いにも少しは変化があります) 意味どおり…

2019.12.31 「松樹千年翠 不入時人意」

カメキチの目 (1日早いですが) 明けまして おめでとうございます。 2020年 よろしくお願いします。 この禅語は、障害者となり、どういう心持ちで これから生きていけばいいのかとそれなりに悩み ウロウロしていたころ、偶然みつけた禅語集の本に 載ってい…

2019.12.24 「可及其智 不可及其愚」

カメキチの目 可 及 其 智 不 可 及 其 愚 (そのちにはおよぶべきも そのぐにはおよぶべからず) 私の読んだ本は、こういうことが述べられていた。 知識はいくらでも積めるし、賢くもなれる。多くのことを知り苦行難行を 積めば、それだけのことがあるかも…

2019.9.27 「無功用」

無 功 用 (む く ゆ う) 「碧巌録」より 『心が晴れる禅の言葉』赤根祥道・著より【引用】 母の胎内からこの世に生まれてくる嬰児の心は、一つの汚れもない。…母親の 乳房にすいついて乳をすいながら、満足すると、すやすやとあどけなく 眠っている。 「嬰…

2019.8.4 「山中暦日無し」続きの続き

カメキチの目 テレビで、たて続けに中国をみた。 (NHKBS番組名『天空のゆりかご 中国・大秘境に生きる』。 ほかに《番組名は略》「万里の長城」、「大運河」、「シルクロード」の4本) ーーーーーーーーーー 中国の人々は、「万里の長城」を築き、「大運河…

2019.7.28 「山中暦日無し」

カメキチの目 山 中 暦 日 無 し (さんちゅう れきじつ なし) 「唐詩選」より (中国・唐代の詩。正確には「禅語」とはいえないのかもしれないが、禅語の 本にあった) 「偶(たまたま)松樹の下(もと)に来たり 枕を高くして 石頭に眠る 山中 暦日無し …

2019.6.14 逢茶喫茶逢飯喫飯

カメキチの目 逢 茶 喫 茶 逢 飯 喫 飯 (ちゃにおうてはちゃをきっし はんにおうてははんをきっす) お茶をいただくときはお茶を味わい、 ご飯をいただくときはご飯を味わう。 お茶を飲んでいるとき、「コーヒーがよかったー」 ご飯を食べているさいちゅう…

2019.3.15 禅語「応無所住而生其心」

カメキチの目 応 無 所 住 而 生 其 心 「オウ・ム・ショ・ジュウ・ニ・ショウ・ゴ・シン」と、いかにも禅の言葉らしく音よみできますが、 意味は訓よみ、「応(まさに)住する所無(の)うして其(そ)の心を生かすべし」です。 『金剛般若経]という経典に…

2019.1・1.1 放下著

カメキチの目 あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願します。 放 下 著 ほう げ じゃく どの禅語の本にも初めのほうに載っているくらい有名な言葉です。 (突然の事故に遭って身体障害者となり、「どうしたもんじゃろ?」とボッーとしていた…

2018.10.30 「任運自在」

カメキチの目 この禅語を書こうとして(でもすでに書いたような気がして)調べたら、きょ年の4月の記事にありました。 きょ年のことでもすっかり忘れていたことに軽いショックを受けた。 書いているときは今もそうですが、当時もかなり精魂こめていたはず。…

2018.9.14 「行住坐臥」

カメキチの目 (敬愛する読者、「recocaさん」も禅語が大好きでおられます。先日も「相逢不相識共語知名《あいおうてあいしらずともにかたりてなをしらず》」「一期一会」「喫茶去」を書かれていました。禅は「食べる」ことなど毎日の生活・日日の行いをとて…

2018.8.3 「一無位の真人」

カメキチの目 きょうは禅語。 一 無 位 の 真 人 (いち む い の しん にん) (臨済宗の禅語録『臨済録』より) 自分なりにあえて直訳すれば、人間はだれも一人ひとり真実の存在であり、 位(くらい)などないということでしょうか。 人間の「生」は、その…

2018.6.12 漁夫の生涯竹一竿

カメキチの目 禅語 漁 夫 の 生 涯 竹 一 竿 ぎょふの しょうがい たけ いっかん この言葉の前に次の言葉があります。 「山僧が活計茶三畝(さんそうがかっけいちゃさんぽ)」 山寺の坊さんが食ってゆくのには三畝の茶畑もあれば十分。 これより広ければ、土…

2018.5.19 春在枝頭己十分 

カメキチの目 これも大好きな「禅語」(正確には、宋代の詩人の詩の一節ということですから禅語ではないのでしょうが、ここは「禅語」に含めます)。 「立夏」をとうに過ぎたというのに「春」ですみません。 (でも北海道ではついこの前ごろが盛りだった) …

2017.2.28 宇宙無双日 乾坤只一人

カメキチの目 禅語です。 宇宙無双日 乾坤只一人 (うちゅうにそうじつなく けんこんただいちにん) 口にするだけで心が宇宙に向かってひろがり、日々の悩みがごく小さく感じられ、そのうち泡となって消えてしまいそう。 もちろん、それは「錯覚」というもの…

2018.1.1 和気兆豊年

カメキチの目 和 気 兆 豊 年 ーわき ほうねんを きざすー 新年、おめでとうございます。 本来は、昔の中国の易学でいう「陰」と「陽」のバランスがとれた状態が「和」。 「陰」と「陽」のバランスがとれる予感・予測(「兆」)があれば、そういう年は豊年万…

2017.11.12 「雨奇晴好」

カメキチの目 きょうは禅語です。 雨 奇 晴 好 ーう・き・せい・こうー 若いときは、『青春の蹉跌』(石川達三の小説)の「蹉跌」という言葉に酔い、自分を悲劇のヒーローにした夢をみる「甘ちゃん」の一面もありました。 歳とってから思うとアホみたい(み…

2017.9.21 遊戯三昧

カメキチの目 きょうは禅語を書きます。 遊 戯 三 昧 ‐ゆ げ ざ ん ま い‐ 答えの出ないような問いと、答えになっていないような答えを、よく「禅問答」といいますが、禅のなかの禅ともいうべき中国宋代の古典『無門関』のなかに「遊戯三昧」があります。 「…

2017.7.13「随所に主と作れば…」 

カメキチの目 禅語 隋処に主と作(な)れば 立処皆真なり (ずいしょにしゅとなれば りっしょみなしんなり) 「隋処に主となる」とは、どこでも主体的ということ。 「主体的」とは、「自分が…自分が…」と目だとうすることではありません。 主体的に生きれば…

2017.5.25 無一物中無尽蔵…

カメキチの目 サラリと心を変え、きょうは禅語。 無一物中無尽蔵 花有り月有り桜台有り (むいちぶつちゅうむじんぞう はなありつきありろうだいあり) 蘇東坡という中国の北宋時代の詩人の詩の一節だから、正確には禅の言葉とはいえないかもしれないです。 …

2017.4.20  「任運自在」

カメキチの目 きょうは禅語です。 たまには社会から隔絶(ムリでも)し、気分だけでも仙人になり、じっくり内に向きあおう。 任 運 自 在 (にんうん じざい) その通りに読めば、 「運(命)」に任せば 自由自在ということ。 「宿命」といえば一方的に与え…

2017.3.2 枯木裏の龍吟

カメキチの目 ー 枯木裏の龍吟 ー 先日のこと。敬愛している方のブログ記事にうろ(洞)のある枯木の写真があり、禅語「こぼくりのりゅうぎん」を想わせました。 有名な禅語録の『碧巌録』に、ある雲水(修行僧)に「仏道とは何ですか?」と訊かれて中国の香…

2017.2.6  拈華微笑

カメキチの目 きょうは禅語です。 拈 華 微 笑 ねんげ みしょう 「拈」は「つまむ」。つまり、花をつまんでほほえむということ。 観音さまが「モナリザの微笑み」をたたえ、一輪の花をつまんでおられるよう。 「心」とは人の内面そのものだろうから、いつも…

2017.1.2 あけまして…

カメキチの目 あけまして おめでとうございます。 本年も よろしくお願いします。 -松樹千年翠 不入時人意- (しょうじゅせんねんのみどり ときのひとのこころにはいらず) 曲がりくねった幹、その先っぽには空に向けて開いて年じゅう緑を絶やすことのない針…

2016.12.9 明歴歴露堂堂

カメキチの目 また禅語です。 ‐ 明 歴 歴 露 堂 堂‐ (めいれきれき ろどうどう) 「存在」するものはみんな、それだけで足りている。 飾ったり、化粧なんかしなくていいのです。 あなたは「素」「露」だけでいい。 と言えば、化粧業界から猛反発されそうで…

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