カメキチの目
日帰り湯に行った。
そこはれっきとした天然温泉で、地下1000メートル余からくみ上げている(こういう表示は疑ってはいけません。楽しさが減ります)。
ヨクを言えば、湯ぶねのそこかしこからボコッ、ぼこっ。湧き出していてほしいが、…。
前に「雲仙・島原」のことを書いたけれど、雲仙温泉、それはそれ(ちなみに「雲仙」の語源は「温泉」)。
ずっと前、ほかの日帰りでも「地下〇〇〇メートル・温度〇度・毎分〇〇リットル湧出、高性能ポンプでくみ上げています」との立札を見たが、そのたびに「ヘェ~!」
こんども湯をしみじみとすくってみた。顔にかけてみた。これが、ずっと昔の水が地熱であたためられていると想うと、また「ヘェ~」
こんな近くにも、地球の息吹・エネルギーがあった。
そうそう。そこらの石ころだって、人類の出現よりずっと昔のものかもしれない。
「ここの日帰りはエエなぁー、静かで広くて。のんびりできるのがエエ…」
「わしなんか、毎週木曜日にはきて、もう10年になる」
頭のてっぺんにタオルを乗せたおふたりさんの声が聞こえてきた。
そばの私は心で返した。「そうですね」
110 クリスマスツリー