カメキチの目
にわかに保育のことがクローズアップされてきた。
政治の表舞台でまじめに取り上げられた。
これほど「ホイク」が注目されたことがあろうか。
背景には選挙のことがあり、人気をとらなければ、という政権の魂胆があるのだろうけれど、予定されている選挙の前にグッドタイミングですね。「日本、死ね」という、保育園の入園を落とされたお母さんが怒りをぶちまけられたメッセージが、ついには政局を左右するほどまでの話題になったことは驚くべきことだと思う。
そのお母さん。コトがこれほど大きくなって驚いておられるのではないでしょうか。
国会議員の目ざすところは票の獲得にしても、そのために少しでも保育の現状を知り、どうしたらいいかを考えるのはいいことだ。ぜひとも日本を住みやすい国にしていってほしい。
(ともかく、ビックリしたぞ)
甘利さんの大臣辞任どころじゃない。
たった一人の若いお母さんのつぶやき・メッセージが政治を動かそうとしている。
そのビックリを伝えると、サイは言った。
「保育のことなんか、小さい子がいて働いているお母さん(お父さん。その家族)くらいしか考えないのにね。人は自分のことで精いっぱいだもんね」
もちろん、私たちも精いっぱい。
「少子・高齢化」がよく言われる。
子どもの姿は昔に比べずっと減ったし、年寄りはずいぶん増えた。その事実。言われるだけではなく実感する。
かつて勤めていた児童福祉施設。そこの子どもたちを連れて地域の祭りに出ていました。
私が若かったころはお神輿だけでなく人も盛大でしたが、何年も前から、神輿の立派さだけが目立ち、人は貧弱(子どもが大きく減った)。盛り上がらない。
祭りが近づくと、わざわざ子ども会の会長さんが「人が少ないから、〇〇園の子どもさん、たくさん出てね」と頼まれるようになりました。
「子どもは未来の宝」とよく言われる。
「宝」は増やした方がいい。なのに、結婚しない若い女性が増え、(ということは、男性もしない)街はさびれる一方だ。
私たちは旅が好きだ。あちこちへ行き、その街の人と風景をみるのが楽しい。
が、大都市とか超有名観光地以外、人は数えるほど。
名店街のシャッターは閉まったまま。
旅人はさびしい。
「日本、死ね」と言われなくとも、日本は大いに病んでいる。なんか手を施さなくてはホントに死ぬだろう。
前に「一庶民の声①」という題名で書いたとき、ていねいなコメントを読者の方からいただきました。そこでは“一事は万事。すべてはつながっている”ということが書かれていました。
「… ますます、お若いご夫婦が地方都市から転居なさるのでは。 そうなったら、地域経済にも、介護の問題でも、真っ先に打撃を受けるのは市のはずなのに。…」