カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

206.6.28 介護ロボット

 

                                                  カメキチの目

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  テレビで、介護ロボットのことをやっていた。

 

 「ロボット」と聞き、A・I(人工知能)か…。

 ヤレヤレ…

 いや、ここでため息ついてはいけませんね。「そ・ん・な・あ・な・た・は・未・来・人・間・に・な・れ・ま・せ・ん」とロボットに言われそう。いえ、私は老い先みじかいので“未来人間”なんてけっこうです。

 

 人類の歴史・未来ハテハテ…未来はバラ色か?そもそも、戦争やテロ、タックスヘイブンの人類に未来があるのでしょうか?は着実に、一般庶民の知らないところでそっちの方向に進んでいるようだ。

 

 テレビは、その介護施設で生活しているおばあさんが初めて「見守りロボット」に対面したときのようすをやっていた。彼女は言う。

「最初はとまどいましたが、いまは気にいってます。カワイイ!」

慣れたのですかね。

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「慣れ」とは恐ろしい。何でものみ込んでしまう妖怪、鵺(ヌエ)のようなものかもしれない。

 でも、歓迎する慣れもあります。

 私の障害は身体のことだからつき合わざるをえず、自然と慣れました。退院してからも何か月も続いていた嘔吐も慣れ、止みました。

 そのおばあさんは「見守りロボット」に慣れたからよかったけれど、いつまでたっても慣れない方もおられるだろう。私もたぶんそうだろうな。

 

 ところで、

 介護とは全人的、つまり全人格的で、とっても複雑な仕事だと思う。

 それは人間が生きてゆく、生活してゆくに関わるすべての要素が絡んでおり、けっしてロボットのような(百万の回路で精巧に仕上がっていても)マニュアル通りの対応しかできないモノに任せてはいけないと思う。逆にいえば、マニュアルにいっさい逆らわないモノを“ロボット”というのでしょう。

 人間は自然の一部なので「想定外」を起こす。マニュアルから必ずはみ出す部分が必ず出る。地震などと同じだ。

もっとも、介護する側(人間)がマニュアルを守らない、守れないということもあり、それで殺されたお年寄りもあることを考えると、最低限いのちを守り、維持することを優先すれば、ロボットのほうが信頼性の点では人間よりマシかもしれないですね。

 もちろん、介護労働、仕事の決まりきった作業の流れを細かく分け、「工程」化して器械(機械)に任す・代替させる、また介護者の負担を減らすというのもアリだろう。

 被介護者のベッドなどへの移乗、上げ下ろしの際に介護者が腰などを痛めたりしないために、もっと楽々とできるよう(これも前にテレビのニュースで知ったが)腕など身体に装着するだけで、本来の自分が出せる力が何倍にもなるという器械(機械。装置)の利用もアリ。

 しかし、それを“ロボット”とは言わないだろう。

 

「見守り」は見守りである。全人的な行為である。

 介護をきちんと行うには要介護者の異常の発見がまず求められる。

「見守り」は「見張り」から始まる。

「見張り」には、たとえば監視カメラという手がある。

 それを含む「見守りロボット」を研究し、開発・実用化に向けて取り組むのはいい。

いや、今の時点では私はいいとは思いません。

 しかし「見守り」をかわいらしいユルキャラみたいなロボットを導入し、介護労働にあたる人を削減するのは本末転倒どころか、根本的に間違っていないだろうか。

そのテレビでは「労働力削減」とは言っていませんでしたが、私は全体の文脈でそう感じました。

 かわいさで勝負するなら、中に人が入ったユルキャラ(着ぐるみ)のほうが勝つのではないか。

 

 相手に尊厳をもって介護するには、こっちも人間であるべきではないか。人間を尊厳するロボットなどできるんだろうか?

 

日本学術会議」ってごぞんじですか?

戦後堅持してきた軍事目的の研究を否定する原則の見直しに向け検討を始めたそうです。

その崇高な理念が現代という時代に合わなくなってきたからだとのこと。

日本学術会議」よ。お前もか!

第二次世界大戦で科学者が戦争に協力した反省から導かれた教訓が見直される可能性が出てきたとのこと。

あ~あ、恐ろしいおそろしい…クワバラクワバラ…

だれが本気で未来を信じられるのでしょう?

 

                  ちりとてちん

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