カメキチの目
「不便だけど、不幸ではない」
「私は、いま、かなり生きている」
(隠居の身なのでなまの生活からの刺激が少ない。で、またテレビからの話ですが、なんともすばらしいものでした。上のふたつは、認知症の患者さんの言葉です)
その方は61歳の男性。佐藤雅彦さん(実名を公表されている)という。。アルツハイマー型だ。10年前に発症(詳しいことは本も出ているので、ネット検索とともにそちらをどうぞ)。
はじめの言葉はいろんなところで聞くし、障害者としての自分の実感でもある。
けれど、あとの言葉はズシン。
とてつもなく重く響いた。「…かなり生きている」
佐藤さんは、この10年。増えてばかりゆく「できないこと」にとまどい、自分の人生に絶望しかかった。
しかしあるとき、「できないこと」ばかりに目を向けるのじゃなく、「できること」に目を向けることに気づいた。
そして、“記憶”と“記録”。
アルツハイマー型認知症は記憶が苦手である。日常生活をおくるのにも支障をきたす。
記憶は欠かせない。だけど代わりに記録ならできる。せっせとメモをとる、とった。いまはケータイという便利なツールもあり、長いものの記憶は外部ハードディスク(ケータイ)に記録すればよいのだ。ケータイもいまはスマホに進化した。日記も書ける。
番組はNHKの認知症キャンペーンのひとつだったが、①は予防だった。認知症にならないための最新情報をあれこれ伝えていた。
私はそれもたいせつだけど、「不幸」にしてなった場合、認知症自体を正しく理解し、患者さん(と呼ぶのかな)に温かく接する社会がよりたいせつだと思った。
“不便”だけど“不幸”でないと誰もが言えるために。
「かなり生きている」と感じるために。
それにしても、ときどき佐藤さんを代役し、ナレーションをつとめた緒方直人はよかったな。
108 こいのぼり
「こいのぼり」と入力したつもりが、「こいのこり」となりました。
こういう失敗はたびたび。イヤになります。
なりますが、エッ!と(ヘンな変換もそうですが)驚くサプライズでもあります。
パソコンもなかなかユーモアがあり、笑わせてくれます。