カメキチの目
このまえテレビで、高齢者の「キレる」という問題
「問題」という言いかたが適切かどうか…ではありますが…
をやっていた。
自分のことを指しているのかとドキッとした。
思いあたるフシもあるので視ました。
番組は朝のニュースの特集で短いものだったが、視聴者の興味をひくようにドラマ風にしたてられていた。
「その態度はなんだぁー!」始まっていきなり、コンビニの若い店員さんに怒鳴る高齢のオジサン(オジイサン)が映った。
じつは、ここに画像をグーグルさんから(勝手に)借りて貼りつけていたのですが、違反ではないかとご指摘をいただきました。で、はずしました。ゴメンなさい。
(私の注意不足か)この場面をみたかぎりでは、とくに店員さんが失礼、無礼な態度で応対しているとは見えませんでした(その高齢者がなんで怒っているのかよくわからなかった)。
しかし、そこにこそ「問題」がありました。つまり、怒鳴らなくてもいいような些細なモノゴトに腹をたてるという…。
次に番組は、アンケート調査の結果をグラフで表示して高齢者は怒りやすくなるという事実をしめした。
アンケート調査そのもの(質問の対象者や項目など)への疑問はありましたが、いちおうそれはおくとして…
続いて学者先生が登場した。
高齢者の脳の断面図をさし、「ここが感情をつかさどる部分で、少し影になっています…」。その部分のはたらきが衰えている、つまり老化している、と説明。
歳をとれば、多くの人が怒りやすくなるらしい。
しかし、みんながみんなそうなるのではなくならない人もいる。怒りの程度も個人差があるとのこと。
(それに私が聞き逃したのかもしれないですが、性差《男と女》もあるのでしょうか)
次に番組では具体的事例が、またドラマでしめされました。
当事者はダンナさん。以前ながく勤務していた会社時代には穏やかだったのに、定年退職してから怒りやすくなったとオクさんが語る。
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しかし、私は思った。
老いれば、たしかに脳の働きも衰える。IN・PUT、つまり覚えることだけでなく、OUT・PUT、引きだす能力も衰え、覚えている(いた)ことがすぐに出ないことがよく起きる。
私なんかすでに40過ぎの頃から、小さな職場で人数もしれているのに、まいにち顔を合わせている同僚さえ名前を忘れ、「あ~ぁ…、アンタの名前なんだっけ?」と言って呆れられ、目を剥かれることがしょっちゅうありました。
加齢は、脳より先に身体そのものを衰えさす。
なにより足腰が弱くなる。
それは一種の「悲哀」ですが、しかたない(それ以上に、こんな悲哀を味わうまで生きてきたことを喜ばなければならないですね)。
私は視力は若いころはズルして 1.5(まじめな計測で1.2)。それが今は0.1の近眼。老眼にいたっては40過ぎに始まり、初めは度数1.5ですんだのに今は3.5か4.0の100円老眼鏡を愛用しています。
(で、テレビに戻ります)
もちろん、テレビ番組で「問題」視しようとしたのは、あくまで「怒る必要のない、怒らなくてよい(とふつうには思われる)場面でキレてしまう」「以前ならあきらかに激昂することになどならなかった場面でキレてしまう」ことに限っていた。
つまり、あくまで脳の「生理的老化」によるもの。
だからこれはこれでいいのだけど(ですから決してこのテレビ番組に怒っているわけではないのです(笑))、あらためて「怒る」ということに思いがいたった。
→続く