カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2012.12.5 無いものではなく、有るものに目を向ける

「無いものではなく、有るものに目を向ける」という寓話。

(話の中身はだいたいわかるので省略

 

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「少欲知足」という諺に通じます。

 

 どの寓話も著者独自の視点が光っていて私は感ずることが多かったが、

この話では、

 

理想を持つことは良いことである。しかし、理想にだけ視線を向け、

現実を直視せずに「私は幸福ではない」と感じるのは視野が狭い。

のところにすごく感じた。

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「理想」とか「希望」、「夢」など人を奮い立たせる、勇気を与える。

(それらは「言霊」を感じさせてくれるほど。

(葉自体がもっている意味と溶け合って、音や響きが心に届いてくる)

 

これらの言葉は、よっぽどどん底(いわゆる「絶望」)の状態にあれば別だけど、

そうでなければ、ちょっとだけでも心に余裕を持てるならば、

口ずさむだけでも一歩前に足を踏み出せそうな気がしてくる。

人生を前向きにしてくれそうだ。

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(その「心に余裕を持てる」ことのとっても大事なことを、

この前、NHK・民放合同の今年のテレビドキュメンタリー番組部門で受賞した山形テレビ

「三つめの庄内」を見ていて痛感した。

 

                

番組の内容は国策の満州開拓から筆舌に尽くしがたい悲惨な目に遭って命からがら引き揚げた

山形県庄内地方の人々の戦後を心のこもったていねいな取材で描いたもの。

その一場面で体験者のお一人、ある老婆が言われた。

意訳「《引き揚げの悲劇に時は涙も出なかった。《悲劇は》あたり前だったから。

いまこうして当時を思い出して涙が出るのは、涙を出せる《暮らしをしている》から」)

 

            


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「理想」などを持つことはすばらしい、いいことだけど、それが実現されない、

叶えられないからと、「現実を直視せずに「私は幸福ではない」と感じるのは

視野が狭い」と著者は言う。

 

しかし、ニュースにイスラエル軍の攻撃を受けたガザ地区が映し出されると

その悲惨な、残酷きわまる映像に「私は幸福ではない」と感じる」。

(テレビ映像を消したところで現実が消えるわけではないのに…)

社会の「現実を直視」すれば不幸になることは必至だ。

宮沢賢治の「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」が

とっても強く心に響く)

 

個人が「心に余裕を持てる」社会。

それが人間にとってもっともたいせつなことだと思う。

 

 

 

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                              ちりとてちん

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今生の いまが倖せ 衣被(きぬかつぎ) 鈴木真砂女

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