カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2021.1.12 『日本が売られる』 

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堤未果・著『沈みゆく大国アメリカ』に、日本の国民皆保険」制度がどんなに

すばらしいものか、アメリカを例に書かれていたことをきょ年11月に書きました。

同じ著者の、ずっと前から読みたかった本が、先に借りた人が多くて1年もたって

やっと順番がめぐり、読めました。 

 

『日本が売られる』  堤 未果 という。

(新書版で280ページの小さな本)

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私は重要だと思うところには付箋をつけますが(自分のものなら赤線)小さな本に

これほどの多くをつけたことはありませんでした。

初めて知る、それも初めてきちんと知ることがとても多かった。

(あやふやな認識、理解であっても、いちおうわかっていると思っていたが、ちっともわかって

いなかった、あるいは勘ちがいしていたことに愕然とした)

同じようにまだご存知ない方には知っていただきたく、長くなりますが

(何度かに分けて)書きたいと思います。

 

第一章「日本人の資産が売られる」、第二章「日本人の未来が売られる」

第三章「売られたものは取り返せ」の三つから成りたっています。

各章ごとに細かい項目が分かれており、すべてに触れたいけれど最小限にとどめる

つもりです。

(できれば、本書を直接お読みくださることを強くおすすめします)

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とても印象に残った言葉がありました。

いたるところに出てきて、最後の「あとがき」でも述べられるのですが

今だけ、カネだけ、自分だけ

(という現代の資本主義を貫いているキーワード)

「今さえ」よければ。「カネさえ」あれば。「自分」ファースト。

この世は「勝てば官軍」。

 

代資本主義は行きつくところまで行きついた。

食いつくすところまで食いつくした。

残された投資先はどこか?

どこかに「うまい儲けぐち、儲けばなしはないか?」

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第一章・第二章では、日本の現代の現実、事実が描かれていました。

たいせつなことがいっぱい書かれてあり、自分はこんなに知らなかった

のかとイヤになったほどです。

「食いつくすところまで食いつくし」たけれど、残ったものがあった、あった!

みんなのもの公共資産)だ。

自然は本来、平等な富、資産のはずだが…たとえば水。

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水はいのちの源。

だからずっと、どこでも安定的供給するため水事業は公的に運営管理されていた。

が、日本でもついにある自治体はフランスの有名な世界的水道大企業に身売りした

地方自治体は財政難、民間委託するほうが安上がり

株主にとって、水道事業は優良で確実な投資先。

いっぽう、株主になるのもいいが、中国の富裕層は日本の土地を直接、買い占める

ことを通じ、日本の水を「買おう」としている、日本は「売ろう」としている。

(ちまたの噂ていどには聞いたが、詳しく細かいことまでは知りませんでした) 

 

第三章で、希望が述べられる。

現代の資本主義は確かに醜いが…。

かといって、世界の多くの人々は社会主義共産主義自称している中国などを

目ざしたいとは、いろいろ文句があっても思わない。

現代の「強欲」資本主義を少しでもましな、人間らしいものに変えてゆく、

修正してゆく努力、創意・工夫ができないものだろうか、とさまざまな国で

取り組まれている試みが描かれていた。

その一つに「協同組合」があった。 

(本質的に人間はひとりでは生きてゆけない、社会を作らなければ生きてゆけない。「協同組合」は

一人ひとりが力を合わせるだけでなく、社会に関わり、その社会に責任をもつ)

 

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著者・堤未果さんは2008年、『貧困大国アメリカ』という衝撃的な著作で、

私たちの(常識的な多数の人がイメージする)アメリカ像を、壊すというか覆して

しまった。 

ずっと昔からあこがれの地、「自由の国」「ふところの広く深い国」アメリ

(私は行ったこともないのでわからない。著者は長年そこで暮らしている方なのでよくわかる)

それは遠い過去の話らしい。

 

資本主義というものがアメリカのように突っ走ればどうなるかを、アメリカは

身をもって示してくれている。

そのアメリカの子ぶんのごとき振るまっているのは政官財界だけだが、彼らに

私たち国民の生活を売ってはならないと、著者の大きな叫びが聞こえてきた。

 

〈オマケ〉

水戸黄門』にたとえればトランプは豪商、(つるんだ)代官、バイデンは黄門さま

に見えないわけではないですが、コトはそんなに単純ではないことを堤未果さんの

本を読んで強く感じました。

国民皆保険」制度を作ろうと挑戦したオバマさんも、医療保険や製薬業界と

これら大企業の利益の政治的代弁者=共和党の猛反対に遭い、結果的にザル法

(制度)終わらざるを得なかった。

(そこまで力を持った影の主。そこまでメスを入れようとしたのが私はサンダースさんだったと思う)

国民の想像を絶するようなカネが流れ、国民に「仕方がない」と納得(諦め)

させる狡知(悪がしこさ)を権力の取りまき(ブレーン)高級官僚が生み、編みだして

いるのでしょう。

(「たいして変わらない」けれど、政治というのはほんの少しでも国民のためになればいいと、私は

歳をとってから変わりました。トランプよりはマシだと思う) 

ふり返って日本。「規制緩和」「民営化」の旗振り筆頭、竹中平蔵

彼は、小泉政権で労働者をより安くつかう「人材派遣」とともに、公的な責任の

もとに行政が事業運営していたもの安上がりですむしサービスも向上するからと、

自由競争の名のもとに公的規制を緩和し(実際は大きいものが勝つのが目に見えているのに

公正であるかのように目をくらます)民営化した。

この本に、なんど「竹中平蔵」がでてきたことだろう 

  

今だけ、カネだけ、自分だけ

 

 

 

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                         ちりとてちん

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