カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020.11.17 国民皆保険

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  病気になったとき、ケガをしたとき、歯が痛いとき

私たち日本人は(自己負担は気になっても)あたり前のように

医者に診てもらう。

 あまりにも身近なので、あえて国民皆保険

(制度)のありがたさを意識することはない。

 

アメリカは「自由」のもとに(病気にかかるのも事故に遭うのも、それで苦しむ

のも死ぬのも自由)「これが先進国か?」というほど劣悪な医療保険制度で、

オバマさんが大統領になったとき、最優先で国民の医療制度を改革し、アメリカ版

国民皆保険制度「オバマケア」をつくり上げました。

けれども実質が不十分なので、こんどのアメリカ大統領選挙でその充実をバイデン

候補が大きくとり上げています。

 

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最近、『沈みゆく大国アメリカ』 堤 未果 という新書を読んだ。

                         

                         (グーグル画像より)

「大国アメリカ」で長く暮らす著者は、これまで『貧困大国アメリカ』を

著しているが、この本では医療・保険制度にしぼり、具体的な実態を述べ、

問題点を明らかにする。

アメリカのとんでもなく貧しい医療・保険制度の実態の叙述は、逆に日本の

国民皆保険」のすばらしさを浮きあがらせてくれている)

 

初めにこんな言葉が述べられている。

【引用】

亡くなった(堤さんの)父の病床での言葉

国民皆保険制度がある日本に生まれて本当に良かった。

これがない国だったら最後は悲惨だっただろう」

 

ある 医療破産者の言葉

(幸いにも、日本では医者にかかって自己破産したという話は聞かない)

「僕の破産手続きを担当した弁護士によると、リーマンショック以降増え続ける

個人の破産の半数以上が、僕と同じ医療破産だそうです。

巨大化しすぎて政治に力を持ちすぎたウォール街は、

オバマ大統領でも規制できないでしょう。…」

 

(注:黒字はこちらでしました)

 

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 アメリカの「自由」の実質とは何なのか?

よく見なければならない。

(日本で暮らしているから自分には「関係ない」という問題ではないと思う)

 

 生き物にとって「生命」がいちばんだいじなことは

いうまでもない。

(「自由」がないのなら死んだ方がマシだといわれることもあるが、それは比喩で

いっているだけのこと。「生命」か「自由」という選択の問題ではないと思う)

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 アメリカは典型的な資本主義社会だ。

 アメリカの「自由」の実質とは、何でもかんでも

すべて生命までも「商品」、取り引き(交渉・契約)

対象となる「自由」なのだ。

 医療にかかれず、お金を払えば助かる命さえ、

払えないので「死ぬ自由」しかない。

 

・弁護士がこの国ほど活躍するところがあるだろうか。

犯罪を明らかにし、罰を決める「司法」でさえ「取り引き」されている。

・人そのものに関わる「生命」「健康」は超巨大な市場なのだ。

人の命もモノと同じ「商品」として扱われ、生命・事故などの保険商品となって、

取り引き、売り買いされる。

取り引き、売り買いされる市場が、真の自由市場、競争に参加する企業がフェアに

争い、お互いが切磋琢磨するならばよいけれど、資本主義が行き着くところまで

行き着いた現代のアメリ(だけではない)は独占市場。

自由な競争は過去の夢。

 

 

 オバマさんが大統領になったとき、アメリカ民衆

悲願の国民皆保険通称オバマケア」が登場し、

熱烈に歓迎された。

 しかし、その実態がわかるにつれ、そのザル法

共和党の熾烈な反対と、業界(製薬や保険)のあざとい反撃にあって骨抜きに

なった)ぶりに国民はどん底に落とされた。

という事実を、私はこの本で初めて知った。

 

巨大化しすぎて政治に力を持ちすぎたウォール街

オバマさんでも歯がたたなかった。

                       ウォール街 (ニューヨーク) | 死ぬまでに行きたい!世界の絶景

                        (グーグル画像より)

「1パーセントの超・富裕層」たち」が、

国家を超え(国の規制を受けることなく)好き勝手に振るまう

ことが可能なこともアメリカの「自由」なのだ。

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最後にまた【引用】 

オバマケアと日本の皆保険制度はまったく違う!

なぜ同じ「皆保険制度」でも、日本とアメリカではこんなにも違うのか?

日本の医療は憲法第25条(生存権)に基づく社会保障の一環として行われ、

その根底には「公平平等」という基本理念が横たわっている。

一方アメリカでは、医療は「ビジネス」という位置づけだ。

国民の「いのち」が、憲法によって守られるべきものだという日本と、

市場に並ぶ「商品」の一つだというアメリカ…

 

 

国家戦略特区を知っていますか?

〈国家戦略特区法〉(2013年成立)は、ひとことで言うと「特定の地区で、

通常できないダイナミックな規制緩和を行い、企業が商売をしやすい環境を作る

ことで国内外の投資家を呼びこむ」という内容だ。…

(医療特区)特区と同じレベルの新薬や治療は、公費だけでは支えられないため、

結局は規制緩和して公費部分を縮小し、自由診療部分を広げざるを得なくなる。

たとえ国民健康保険が制度として残っても、使える範囲がどんどん狭くなり

形骸化すれば、患者負担は重くなってゆくだろう。

国民健康保険の公費負担部分が小さくなればなるほど、それ以外の医療や薬を

カバーするために、日本人は民間保険を買うようになるでしょう。 

 

リーマンショック以降、アメリカ政府が野放しにしたことでますます巨大化し、

国家解体ゲームをさらにすすめるウォール街の存在は、ここ日本にとっても

他人事ではない。

農業に食糧、小売りに教育、自治体、そして医療など、彼らが自国アメリカで

手をつけた分野は、その後日本にもひとつずつ名を変えて上陸してきている…

外国人投資家たちは、…日本政府の「成長戦略」に熱い視線を寄せている。

私たちの将来を左右する年金基金もその一つだ。

次なるゲームのステージは日本…」

 

(注:黒字、下線、字はこちらでしました)

  

 

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                        ちりとてちん

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