今日は釈さんの話です。
③ 釈:(現在の科学技術の発展は)
いくらでも(欲望満足のための)代替手段(そのうち科学技術の発展により実現できる)がある
ように思わされてしまう。
そのために、現実には諦めて受け入れるしかないことも、諦め切れなくなっています。
(物事には)「諦める領域」と「諦めない領域」(があることを人々は知らなければならない)
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④ 釈:
(「諦める領域」と「諦めない領域」があることは)現代人にこそ必要なイニシエーション
「通過儀礼」のようなものを通して自分の欲望に区切りをつけること…(は)現代人に必要な知恵
…
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③
■ すべての欲望が(「直」「代替」にかかわらず)科学技術の発展によって叶う、
果たされてしまうかのような錯覚を抱いてしまいそうになる現代。
(「リアル」「バーチャル」と一応は区別されるけれど)
現時点では不可能なことでも、科学技術が発展すれば(確実なまでに「する」)
果たされる。可能になる。
少数の人々は「これでいいじゃないか」と満足し、ストップしても、たぶん、
多くの人々は「まだまだ」「もっともっと」とアクセルを踏み続ける。
(現代人には昔の人々の生活感覚・意識は分からないけれど、神仏や超越者に祈るしか生きる術しか
なかった昔の暮らしには満足していなかったと想う。
少しでも長く生きたい、楽しい一生を送りたいという欲望、欲求が科学技術をおこし、それが進歩
発展していったあげく、ついに現代の文明に達した。
その科学技術文明の到達点を見ると、科学技術は人間にとっての「必然」、「絶対的」なものであり
「これでいいよ」と満足しストップをかけられるのものではないのだと痛感する。
そうならば、「人間の幸福とは何か」ということを真剣に考えた上で、それを基礎に、
これからの科学技術の方向性が出されてほしい)
■ これ以上、アクセルを踏み続けると(たとえ科学技術の発展でそれが可能でも)、
自然の中の一生物に過ぎないヒトが、人間ではあり得なくなるという未来が…
いまこそ、「諦める領域」と「諦めない領域」の二つをしっかりと分けることの
大切さをあらためて思った。
(一般人が知らないうちに科学技術は国家の命で、着々と研究・開発されつつある。
コトは引き返せないギリギリのところまできているのだろう。
やっぱり私も月は「眺めるもの」であって「行くもの」ではないとあらめて思った)
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■ 科学技術の進歩のおかげをすべての人が享受でき、それが幸せにつながれば
いいけれど、
(本当につながるかどうか、わからない。
「幸せ」を「幸福感」とすれば、それは感情の一つだから、その時その場で終わることになるかも。
少なくとも「幸福」そのものについて考えてみることが大事だと思う)
たとえば「過疎」地域の交通という一部の人々の生活、暮らしにとっての大切な
社会的な問題においては、ほとんど活かされいない、役に立っていない。
(「格差」は単に所得のことだけではなく、科学技術の享受という面でも確実に広がっている。
《もっとも考えようによれば余りあるお金があれば、すべてがそれで解決できる。
「交通弱者」も「買い物格差」も「医療格差」もないのだろう》
交通問題→
人手不足や赤字《経営》のため、定期路線バスの廃止や本数軽減が全国各地で起きている。
当該自治体は困った住民の対策として独自に「地域バス」を運営したり、スマホの「配車アプリ」で
自宅など指定場所までタクシーに来てもらう《そのタクシー会社には補助金》などしているけれど、
自治体の努力に任されているのだろうか?
《交通事故対策に対策に高齢者の免許証返上が叫ばれているけど、過疎地では自家用車が不可欠の足と
なっている。それが分かっていながら国は自治体に任せている。
任せるならカネを出せ! ないとは言わせない。
「日本銀行券」を必要なだけ刷ればいい。
それでいまのお金の価値が減っても、多くの国民は耐える。
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④
「「通過儀礼」のようなもの」「イニシエーション(儀式)」の大切さ。
言い換えれば、「形」の大切さ。
私は若いころ、大切なのは(自慢できるほどのものはなくても)中身、「形や格好、
外見はどうでもいい」と思っていたけれど、歳を取るにしたがって変わった。
とくに障害者となってからは、自分の障害(の「形」に)慣れるということで、
「形」というものの大切さを強く感じるようになった。
これまで出来ていたことが障害の原因、脳外傷によって出来なくなった。
新たに「諦める領域」と「諦めない領域」がある身体になったわけ。
「形」というものは、それを意識する人によって、それこそさまざまな「形」で
活かすことができるのではないだろうか。
「何が成人式!へッ…」と感じていたけれど、いまでは「イニシエーション」
「「通過儀礼」のようなもの」もいいと思えるように変わった。
今日の一句
たくましき 桶の蓋とづる 氷かな 来山