カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

カメキチの目(2016.3.12 IT、デジタルの時代②)

 

                                                  カメキチの目

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 はじめての出あいはワープロだった。

 仕事である。

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 ワープロを前に、

「タイプライターというものはもうなくなったのか…」

「これまでどおり手で書けばたりるのに…」

 と思った。

「面倒くさいことよ」

 まず、操作のし方を覚えなければならない。キーボードの打ち方…

私はローマ字入力

いまになって「ローマ字」のお世話になるとは夢にも思いませんでした。

ずっと遠い昔。中学校にあがって初めて英語を習ったとき、それまでに習っていたローマ字がアルファベットを覚えるのに役立ったので、それがローマ字の役割だったのだと思っていました。

まさか、こんなことでローマ字に再会しようとは…

 面倒くさくても仕事である。

 仕事はちょうど、勤めていた福祉施設の老朽化にともなう建て替えで、さるところへ多額の補助金を申請するため、その書類をつくらなければならなかった。

 行政に勤めている方は心あたりがおありでしょうが、その世界は形式・様式、カッコウがすごく幅をきかしている。使う言葉まで決まっている(行政用語)。

そのときまで、私はそういうイロハも知りませんでした。

 当時の私は、内容・中身がよければそれでよい、とたかをくくっていたが、いくらよくてもよくはなかったですが字がミミズがはったように醜く、整った形式・様式からはかけ離れていていた。

 で、ワープロの活字のようなフォントは「渡りに船」で助かった、と言わねばならない。

余談ですが、公的なところからカネをもらうという手続き的な仕事をして、世間の仕組みをチラリ、かいま見た気がしました

それは世の仕組みのほんのいったんに過ぎなかったと思いますが、コネやら長いものには巻かれろ、(予想はしていましたが)いろいろな理不尽なことで世間は成り立っているんだな、と実感しました。

 

 それから怒涛のように、職場のなかは、周りのIT・デジタル化の波を浴びて、変わった。

 人を相手とする福祉でもビジネスの波は容赦ない。

「ビジネス」と紳士的な響きのする言葉ですが、要は「儲け」「利益」が本性だと私は思います。

福祉をビジネスにするのはどだい間違っているのではないでしょうか。

こともあろうに介護士がお年寄りを高いところからモノのように放り投げて殺す事件。ここまで極端でなくても、虐待などがあとを絶たない事件の背景には、国の政策があると思うのです。

コトは老人だけではありません。腹をすかしている子どものために「フードバンク」という取り組みがなされたり、教育にはスタート地点からひどい格差があります。

“教育”といえば、親の収入で受けられる教育(塾などは望んでも貧乏人はいけない)も決まり、将来のコースも、子どものときからお見通し。もちろん、そんな逆境にもめげない努力家も、能力のある子どももいる。

怒りをとおり越し、悲しくなる日本(中国などもっとひどいところがありますが)

 

すみません。こんなこと書いていたらいろいろなことが思い出されて、また、だんだん腹が立ってきました。

私が福祉の仕事にとび込んだころは、企業、会社などが事業主体のところなんかありませんでした(法的に認められていなかったのです)。

しかし、いわゆる「小泉改革」の一環で福祉も民間市場に投げ出されたのです。

「開放」という名目で。

「開放」「競争」によって、安上りを目ざし、労働・仕事の“質”は二の次。しかも食っていけない低賃金。記憶に新しい悲惨なスキーバス事故も、事業者の過当競争、安請負が背景にあると言われています。

 コピーなんて、いまの若者は知らないだろうけど、 「青焼き」といって、コピーしたい紙と、される紙の2枚を合わせて機械(コピー機)に通す。パッと光って、される方の紙は青色になって出てきた。

 そのうち、こんなことがあり、驚いた。

 職場の若い同僚(女性)が自分の「ノートパソコン」を持ち込み、機能を披露してくれた。

 これを使えば、速く・きれいに・正確にできると言う。扱いは慣れれば簡単。「あなたも使えます」と言う。

 

 スゴい!

 当時はまだワープロでこと足りていたので、パソコンの必要はあまり感じていなかったが、時代は老体のあずかり知らぬところで着実に進んでいた。

 

本のことまで進みたかったのに、そのときの「苦労」がまざまざとよみがえりました。おかげで、この話はまだ完結しません。すみません。

 

                  ちりとてちん

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