カメキチの目
ときには、自分にとってのブログ(ブログを知らず、初めはホームページだった。きっかけは脳外傷を負って、障害がのこると主治医の宣告を受けたとき、症状の予想、「行く末」を知りたくて《親身になってくれるドクターではなかったので》、ツレが図書館でさまざまな本を調べ、ネット検索もいろいろ探してくれたのですが、ちっとも有益な情報、話が得られなかったことです。今後、同じような障害に遭った方、ご家族の参考になればと自分で情報を発信することにしたわけです)の原点とでもいうべき身体の障害のことを書きます。
これまでもよく書いていますが、それは「ついで」。きょうのは「本題」。
「平衡障害」というのは、バランスがとれない。
だから杖は必携だ。
コマのように回ったあとまっすぐなラインを歩くみたいな体感がいつもある。そのときの気持ち悪さも。
・だから、フラフラと酒に酔った人のようになる。
かっこう悪いからフラフラ歩きたくない。ときどき思い出したように「パリコレ歩き」に挑戦する。
自然では小股の危なっかしい歩行になってしまう。あえて胸を張り、さっそうと風を切るように、スマートに歩きたい。
「上のボタンがはずれている」「袖口にシャツが…」「ズボンの後ろが…」と、ツレは毎日まいにちうるさい。
ときどき「ウルサ~イ!」と反応したくなります。が、(悔しいが)当たっています。
私もすれ違う人に振りかえられたくはない。
・できの悪い、潤滑油の切れたロボットみたいな体感。
若手の漫才で「ガシャガシャ、ウィ~ン」とロボットの動きをまねるのがあるが、あんな感じ。
重力に逆らい、足ふたつで自らの身体を支えている感じ。
腰を下ろした状態から立ち上がるのに、ローボードなんかに手をつき「ヨッコラショ!」と気合を入れないとダメ
・頭の重さを感じる。退院後8ヶ月して慣れ、ほとんどしなくなったが、それまでは目まいで一日なんどもおう吐した(胃の全摘後はためておけないので、えずいても吐きません)。
が、目まいそのものは消えはしない。ソロソロとは頭を振れるが、速く振ると気分が悪くなり失神しそう。
以上、平衡障害のほかに、皮膚感覚のうち熱い(暑い)や冷たい(寒い)に鈍くなった。
コタツに足を入れていても、電気が入っているかどうかわからない。
足裏の「灼熱感」は今ではすっかりそれがふつうと感じているが、それまではその違和感にずいぶん悩んだ。
温泉に浸かるとき、手で触ると適温だったので安心して入ると「アッチ、チー!」。悲鳴を上げることがある。
数年前、初詣で寒くて足がガチガチになった。そうでなくてもひどいロボット歩きがよりひどくなり、泣きたくなった。
泣かないために、「パッチ」と「ヒートテック下着」をいくつも買った。
・よく書いているが、目の前がザワザワ流れる「眼振」、同じ像が二つ見える「複視」というものもある。
これと先の平衡障害が重なってフラフラ、気分の悪さが増す。
ほかにもいろいろあるが、ぜんぶグチになるので
この辺でやめときます。
ふだん、何気なくみているテレビニュースの事故報道。そのむこうに、たくさんの障害者が生まれていることを想うとたまらない。
自分ていどですみますように、と祈らざるをえない。