カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020.5.5 「ソクラテス…」「困難と面倒」

         カメキチの目 

 

 

 『ゆるく考える』から、きょうは、

①「ソクラテスポピュリズム

②「困難と面倒」。

 

著者、東浩紀という人は40代後半です。

この本の中のいろいろな話題を読むと、私の世代にはあまりなじみのない

「オタク」やサブカル」といった文化の言葉がよく出てきます。

いまの社会の中核にある人たちの趣味嗜好、興味関心、ものの感じ方や考え方など

(一部とはいえ)それとなく伝わってきます。

ひと言でいえば、のびのびと自由な発想で、物事を決めつけないでみる。

好きなことを見つけ、楽しむ。 

 

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ソクラテスポピュリズム」は、哲学者でもある

著者が、ソクラテス現代によみがえらせたような話

だった。

「困難と面倒」は、溢れる情報に支配されがちな

現代社会に生きる著者のような家族や友人知人という

身近な人たちをだいじにする生き方を教えてくれる

話で、とても共感した。

 

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① 「ソクラテスポピュリズム

【引用】 

ソクラテスにむけられた非難は要は、おまえはなんかあやしい、嫌なことをいう、

みんなの空気に水を差す、だから死ねというものである。

犯罪の具体例はなく、噂による感情の暴走だけがある。

それは、現代のSNSで頻発するリンチとまったく変わらない。

対するソクラテスの法廷弁論はじつに論理的なのだが、

もっとも心を打つのは、彼が、(みんなが)論理では勝てないことを

よく承知し、それについてもはっきり語っていることである。

彼は、人々が論理を選ばないことをよく知っていた。

 

(註:()の追加と赤字はこちらがしました) 

 

②「困難と面倒」

【引用】 

(情報技術にあまり大きな期待を寄せていない)かわりになにに期待すべきか

といえば、最近は、家族や友人など、面倒な小さな人間関係しかないのではないか

という結論に至っている。驚くほどつまらない話だが…

(人生にトラブルはつきもので、それをsnsで発信しても))SNSの支持は

ほとんど役に立たない。

匿名の支持者は、トラブルの話題自体すぐに忘れてしまう。

あっというまに集まった人々は、同じくあっというまに離れる。

そこで継続的に助けてくれるのは、結局は面倒な人間関係に支えられた家族や

友人たちだったりする。

その困難を時間をかけて解消し昇華することで、はじめて自分も相手も社会も

進歩するのだ。けれども、いまのSNSにはそのような熟成の余裕がほとんどない

そしてぼくを変えることができるのもおそらくは彼らだけだ。

その小さく面倒な人間関係をどれだけ濃密に作れるかで、

人生の広がりが決まるのだと思う。

 

(註:()の追加と赤字はこちらがしました) 

 

 深くなんどもうないた。

 

 著者が述べているのSNSについてであり、

 ネット一般の話ではない。

ネットについては、その人間社会における画期的ともいえる意義について、

『ゆるく考える』の全体を通じて言われていました。

 ネットの有無は、それが無かった昔とある現在を

さまざまな世界において「画期」となっていることを

本の随所で述べられていた。

よく「リアル」に対して「バーチャル」といいいます。

しかし、「仮想」「想像」「幻影」「イメージ」…を常に抱いて生きているのが

人間の「現実」というものだから、「リアル」と「バーチャル」は対立するもの

ではないと思う。

 

 ただ、SNSがどれほどすばらしいものであっても

ぼくを変えることができるのも…彼らだけ

その小さく面倒な人間関係をどれだけ濃密に

作れるかで、人生の広がりが決まる

  

 ネット、SNSという環境が、あたり前になった現代

 若者にとってのそれは、空気のようなものだろう。

長くアナログで育った私は感覚的にうまくなじめないけれど。

 その新たな「空気」を呼吸しながら、ネットなどの

環境の落とし穴はちゃんと見すえながら、

家族をはじめ身のまわりの人間関係をとてもだいじに

されている。

 

「面倒くさい」のは人間関係だけではない。

仕事を辞めると人間関係はとても薄くなる。

「面倒くさい」のがなつかしくなるくらい。

 

いまの私はトイレに行くことさえ面倒くさい。

こんなことではそのうち、息するのも面倒にならないとは限らないと思った。

 

 

 

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                            ちりとてちん

 

 

 

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