カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2021.4.13 「いちばん大切なものがわからくなると、人間は不安定になる」

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小熊英二時評集 私たちはどこへ行こうとしているのか』

という本のなかでのひと言が強く胸に響いた。

 

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                  (グーグル画像より)

 

いちばん大切なものがわからなくなると、

人間は不安定になる

 

本は2016年の出版で、とくに東北大震災以後の日本社会の時々のさまざまな問題

への著者の思い、考えが述べられたもの。

その中にあった上のひと言に、強いインパクトを受けた。

 

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社会のなかで生きている、生活している人間。

生きていれば、いろいろとある。

時代・場所はさまざまでも、その中身は人によって違うけれど、どうすべきか悩み

迷うこと自体は普遍的な事実。

 

そして、いちばん大切なものがわからなくなると、人間は不安定になる

ということも普遍的な事実だと思った。

 

本はうなずくことがいっぱいあったけれど、この言葉に出あうために読んできた

ような気がした。

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   (4日前の散歩で出あった桜。これに出あうために歩いたような気がした)

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著者の小熊英二さんは歴史社会学者ということで、本は現代の日本社会の状況を

戦後から今日までをふり返りながら、書名のとおり「私たちはどこへ行こうと

しているのか」を折々の社会問題を論じたもの。

あるときの話に、

いちばん大切なものがわからなくなると、人間は不安定になる」とあったのだ。

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人が生きてゆく、生活してゆくうえでいちばん大切なものは何なのか?

 

たとえば「家族と自分をだいじにする」。

「そんなこと、わかってらー」あたり前、だと誰でも感覚的にはわかっている。

(と信じている)

 

わかってはいても、目の前の現実、生活の忙しさの波にもまれていると、

知らないうちに波に呑みこまれ、溺れそうになっている。

(ときどき真剣に思う。「もうじき15年になるけれど、あの事故で障害者にならなかったとしたら

私は別な事故で死んでいたかもしれない、と) 

 

わかってはいても、人は忘れるということから逃れられないので、

ときどき自分の胸の奥底に問うてみなければならないと思う。

不安定にならないために、

自分にとって「いちばん大切なもの」は何か?

 

 

 

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                           ちりとてちん

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