カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2023.6.4 老いを読む

生きているから歳をとる。あたり前の事実。

その客観的な事実は自分にも当てはまり、たくさん年を重ねてきた。

しかし、その「事実」は私のアンテナに引っかかり、「意味」をもち「価値」にも

なっている。

 

ともかく、私はジジイになった。

 

不思議な感覚だが、(鏡の前に立つのは別にして)老人になった実感はさほどない。

しかし、「ずいぶん歳とったもんだ…」という感慨は強い。

ーーーーー

『年をとって、初めてわかること』  立川昭二 

 

(グーグル画像より)

 

しみじみとした気分になった。

読んでよかったと思う本に出あえてよかった。

これも幸せの一つ。

 

本は小説、文学に表された老いをいくつか紹介し、著者の感想を述べたもの。

①「はじめに」でいわれること、②幸田文田辺聖子の言葉、③山本周五郎の言葉

深沢七郎の『楢山節考』からの「老いの価値」、ということで三つを書きます。

(今日は①)

 

ーーーーーーーーーー

「〈老いを読む

老化防止の医学知識や介護福祉の情報を追う前に、その老いをどう受けとめるかという

ある覚悟のようなものをかためておかなければならない。

(江戸時代には「若返り」という思想はなく、あったのは「養生」)

「養生」という思想はただ健康でながいきするというのではなく、

心穏やかに楽しく生をまっとうするという生き方の指針であった。…

年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐいのちなりけり 岡本かの子

老いの不安感や孤独感、悲哀感や喪失感をしいて退けようとするのではない。

むしろそうした現実や感情を、文学を読むことによって、自分と身辺の老いを相対化し物語化

していけば、悲哀や喪失もおのずと浄化し、不安や孤独もおのずと昇華していくのである

ーーーーー

人によってはアンチエイジングも、気に入った介護福祉の施設を探すことも大切

だが、その前に「老いをどう受けとめるかというある覚悟のようなものをかため

ておく必要を強く感じた。

(あっ、そうそう。私は「老活」《「事前指示書」を書いたりの「リビングウィル」のこと》もして

おいた方がいいと思う。その「活動」を行う中で気づくことがたくさんある気がする)

 

自分と身辺の老いを相対化し物語化していけば

「相対化」というのは「対象化」、つまり自分から離してみるということ。

自分ごとを他人ごとみたいに、眺める。

物語なのでちょっと手も加え(演出・脚色)てもかまわない。

おもしろく仕上げたい。

悲哀や喪失もおのずと浄化し、不安や孤独もおのずと昇華していく

 

 

 

                         ちりとてちん

 

<