カメキチの目
「…やり切れないね。こんなの《業(ごう)》というのかな」
(老いたからか)古典文学、名作・傑作といわれるものを読みたくなったようで、ツレは近松門左衛門の『女殺油地獄』を読み、ため息つきました。
そして、上のような感想にもならぬ感想をつぶやいた。
「業」は仏教の言葉。
だからキリストやイスラムの世界でもつうじる普遍性のある言葉でないのかもしれない。
が、どちらもながい歴史と伝統があり、人間の本質についての深い洞察に満ちた、(私が知らないだけで)「業」に似たような言葉があるのかもしれない。
私はたびたび、「争い」「殺しあい」「戦争」「だまし」「いじめ」…などを書く。
書いては暗い気分になり、ますます「人間嫌い」になっていく(ならば、書かなきゃいいのに。正確には「人間嫌い」じゃなく「社会嫌い」)。
個人のレベルでは、美空ひばりの『愛燦々』の歌のように「人はかわいいもの…」。
愛しい存在。なのに…
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直接にはつながらなくても、「業」を想わざるを得ません。
この頃、いつまでたってもなくならない「争い」「殺しあい」…を想うと、「業」がピッタリしてきました。
「残酷」としか思えぬ事件の詳細を知ると、そう思ってはいけないと心で打ち消そうとしても、ごくごく…一部ではあっても「業」にとりつかれたような生き方をする人間が確かに存在する、と認めざるをえなくなる(どなたか、それはまちがっていると言ってください!)。
自分は「高見の見物」で、直接手を染めていなくても、直に現場の悲惨さ、血まみれた人を、ちぎれた手や足を、地獄を見ないからこそできるのだろうが…。
■ わかっていて(予測できていて)、トランプは宣言した。
エルサレムをイスラエルの首都としてアメリカ合衆国は認めると。
アメリカのユダヤ民族の富豪らがトランプに多額の選挙資金を提供しているとのこと。それに渦中の「ロシア疑惑」。
世界中が非難ゴウゴウ…。EUもフランスもドイツもイギリスも、それぞれの政府が認めないと批判した。
「あたり前田のクラッカー」。日本政府は「当事国どうしの問題…」とここでもまったくのアメリカ、(今は)トランプ従属ぶり。
暫定的にせよ「平和」だったパレスチナ問題に火がつけられようとしている。
パレスチナではすでにロケット弾が飛びかい、死傷者が出ているという。
新たな戦争が勃発するかも…。
アメリカを標的としたテロが増加するかも…。
■ 北朝鮮の相つぐ「木造船」の漂着、漂流。
この時代に「木造船」ですぞ!
独裁者のミサイル・核兵器開発のせいで北朝鮮は経済的に(ということは生活が)追いつめられた。命づなともいえる油の高騰により、外貨獲得の大きな手段である漁業は大打撃…
日本海の漁に出た船のディーゼル燃料の軽油に粗悪な油を混入して出漁。エンジンはトラブル起こしストップ。最近は、漁に出たまま夫が帰ってこないという妻が続出し、北朝鮮の日本海沿岸の村では「未亡人村」と呼ばれているところがある。相次ぐ「木造船」の漂着、漂流はそのあらわれかもしれない。
と先日の『報道特集』(TBSテレビ毎土曜夕方)でいっていた。
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2017年も終わろうとし、世界は不安、混迷を深めている。
こんなんじゃ、新年を前にしてカウントダウンの気分に一地球人としての私はなれない。
しかし、ちゃんとクリスマスは楽しみ、しっかり新年も祝いたいもの。
トランプ、金正恩らによる「テロ」に屈してなるものか!