カメキチの目
■一つ目
歳をとると、遠い昔のことが(なんの脈絡もなく)ふっと思いだされることがある。
そのときの感覚はフシギとしか言いようがない。
一種の「夢みる」みたいな感じです。もちろん、こっちは夢ではなく「過去の事実」ですが。
「過去の事実」といえば…。会ったか、会っていなかったの加計問題。
「見つかった」という(ということは探していた)。その県の記録文書を中村愛媛県知事が国会に提出しました。
安倍首相が加計氏と会ったという「過去の事実」が愛媛県職員により記録されています。
ところが、文書には「会った」という愛媛県側の「事実」が、「会ったことはない」と言い張る首相側の「事実」とは真っ向から対立しています。
すなわち、どちらかがウソをついている。
中村知事が、あえて国会に持ちだすとはよほどの覚悟をされたからに違いありません。
(対する安倍首相も覚悟を決めねばならないと思う)
首相を辞めたくないなら、
「中村知事はウソをついている」「一国のトップ、首相の私を貶めようとしている」「よって、中村知事を名誉棄損と侮辱罪(ほかにもありそう)で司法に訴える」とすればいい。
(おとなり韓国では文大統領の前の女性大統領が司法の場で裁かれました。何やかやあっても韓国は立派だと思う。「民主主義」がどうだこうだより先に、ウソ・不正が許されないという当たり前が実現されているから)
このまま加計問題(森友も)の真相が明らかになければ、よくいわれている「末期」が、この国では現実になる。
3月30日からはだいぶん経っているし、何がきっかけはわからないけれど、『フランシーヌの場合は』というフォークソングが頭に浮かんだ。
(「3月30日」というのは歌のなかに出てくる詞です)
心にしみてくるような歌です。聴いてみてください。
↓
この歌はもう半世紀も前、私の青春まっただ中くらいのときに流行った(?)歌。反戦歌です。
「フランシーヌの場合」というのはフランシーヌ・ルコントさんというフランスの若い女性がベトナム戦争やアフリカの子どもたちの飢餓などに心を痛めて焼身自殺したことをいう。
この歌のなかに
「フランシーヌの場合は あまりに おばかさん…」
「ホントのことを 云ったら オリコウになれない…」
という詞がある。
ちょっとばかりもの哀しいメロディーとあいまって、当時の私の胸をゆさぶった。
「おばか」になるほど純情ではなく、かといって「オリコウ」にもなれない私は中途半端な若者だったが、中途半端も、しかしこの歌に惹かれた心もそのまま老いの今に続いている。
■二つ目
もうだいぶんになるが南北朝鮮のトップ会談が実現し、その意義は「歴史的」と形容された。
(後の世の歴史教科書に記載されるといいですね)
同じ民族でありながらも、南と北に分断されている朝鮮の人びと。
「東西冷戦」が崩壊し、旧ソ連「支配」下の多くの民族が独立国家を作り、分断されていたドイツでは東と西がとっくの昔に統一しているというのに。
私が生まれたころに起きた朝鮮戦争がいまだ終結せず、いまも続いているという(だから軍隊の韓米合同演習というものがあるのですね。あらためてこの「異常」を思った)。実際に戦争が行われていないのは休戦状態にあるからです(「バカじゃなかろうか、人類という生きものは…」と思うのは私一人じゃないでしょう)。
北のミサイル・核兵器(先に核兵器を開発し、広島・長崎で試し《使い》、朝鮮戦争のときには北朝鮮に「使うゾ!」と脅したのはアメリカである(トランプではなかったけど)。アメリカもアメリカだが北も北という「ケンカ両成敗」は成りたたない、と私は思っている)は完全に撤去され、朝鮮半島の非核化はもちろんたいせつなことだけれども、こんどのことが南北統一へのきっかけになってほしい。
それにしても文大統領はすごい。
トランプ・アメリカに気を遣いながらも、独裁の金・北朝鮮を相手にこんどの話し合いにこぎつけた(この人にこそノーベル平和賞はふさわしいと思う)。
もちろん金は、世界中から経済制裁を受け、いくら独裁者だとはいっても多少は自国の一般民衆の生活も配慮しなければならないし、こんごも独裁は続けていきたいし(こっちが主)、仕方なく譲歩したのでしょう。陰ではお互いの思惑もあって習・中国と仲良くし、中国の経済制裁を切り崩そうとしているし…
「歴史的な朝米会談」。すんなりとは行かないといわれていたけれど、すでに躓いてきているようです。
いろいろ紆余曲折はまぬかれませんが、国民に望ましい方向で進んでほしい。
日本の念願、拉致問題も進みますように!
それにしてもトランプはなんと下劣な男。
大統領という権力を維持するために、こんどの中間選挙に勝つために、アメリカ国内に多く住み、力も大きなユダヤの人たちの票欲しさに「エルサレム首都」問題(注:参照)を起こし、イランの核合意離脱問題も引き起こしている。
注:【エルサレム時事】米国は14日、イスラエルの建国70年に合わせて商都テルアビブから、イスラエルの「首都」と認定したエルサレムに大使館を移転した。恒久的な大使館建設には時間がかかるため、今回は「象徴的な移転」とされる。しかし、東エルサレムを首都とする国家樹立を目指しているパレスチナは猛反発。パレスチナ当局によると、自治区ガザでは、イスラエル軍による銃撃でパレスチナ人52人が死亡、2400人以上が負傷した。和平交渉の再開は一層不透明となった。