カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2019.1.11 『浅見…』

                                                  カメキチの目

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作家、故・内田康夫さんの浅見光彦・殺人事件シリーズのテレビドラマをみました。

み終わって、なんども「よかったなあー」と思った。

 

好きな「感動もん」ではなかったのですが、登場人物たちの笑顔場面がとても多く、「殺人事件」が起きないとこの手のドラマは成り立たないので、人は死ぬけれど、その場面が最低限なのが年始にふさわしく、ほんとよかったです。

 

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【物語】

舞台は、伊豆の修善寺(このシリーズは主人公が旅のルポライターなので、「秘境」といわれそうな寂れた地域がよく出てくるけれど、そいう雰囲気を感じさせるのは古寺、竹林、天城トンネル、ワサビ田…くらいだった)。

登場人物は従業員を家族のように愛する小さな老舗温泉宿の温和な夫婦と従業員の仲居さんたち。

ここに泊まり、心からのもてなしを受けて大満足の若い娘さんと定年を迎えたやさしいお父さん(死ぬことになる)の親子。と別れたお母さん。

このシリーズ定番の地元警察官とその家族。それに浅見家の面々。

スジは、この老舗温泉宿で知りあった娘さん親子のお父さんが死に、その「死」をいぶかる娘さんを、主人公・浅見光彦が助けて真相を明らかにするというもの。詳しい物語は省きます。

 

感じたことを二つ。

① ミステリーの醍醐味を味わいたい向きには、この作者や西村京太郎や山村美佐という小説家の事件ものは、頭をかしげるトリックなど複雑な仕掛けがあまりないのでもの足りないでしょうが、殺人現場を含めて各地の美しい自然風景や街なみがたびたび登場し、旅情あふれるこの作家たちの作品は、映像が果たす役割の大きいテレビにはピッタリくるようです。

旅行気分を茶の間でくつろぎながら味わせてくれるのがいい。

② 原作の小説本そのものは読んだことがないから比較のしようがなくよくわからないのですが、テレビドラマ化にあたっては、テレビ側の担当者(脚本家とか演出家など)の意向がはいり、おおすじは原作と同じでもさまざまな細かい点で違うのだろか。(これが、よくも悪しくもテレビドラマ化されることの「運命」)

この点、こんどの「浅見光彦」はほんとうによかったです。

私はテレビドラマ化され、厚みが増した気がしています。

修善寺、竹林、天城トンネル、浄蓮の滝、ワサビ田…がふんだんに映し出されただけでなく、宿の仲居さんたちや地元警察官の大家族の人たちのやさしさが、とてもよく描かれていました。

原作にあるのかないのか知りませんが、テレビドラマでは、 その人のいい警察官は中学生くらいの娘さんに思春期とくゆうの「反抗」を受けており(そのことを真剣に悩んで警官の仕事を辞めようかと迷っている)、その顛末話も挿入されていて「殺人事件」物語を単なる事件解決話に終わらせず、より豊かにふくらませていると思いました。

言葉づかいや、人間の奥ふかい心の推移・心理の変化などが繊細で深い小説などは読書形式(本)でなくては、細かな描写を感じ、味わうのはむずかしいのかもしれない。

 

                               ちりとてちん

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