カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2019.6.28 Wさんと会う

        カメキチの目

 

 

1年ぶりに病友に会った。

(Wさんという。きょ年会ったときのことも記事にしました)

 

「病友」といったが、Wさんとは種類こそ違えど

ガン仲間で同室だった。

 私はガン手術より先に突然の事故(それで障害者になった)

で入院中。

 それは頭部外傷で、ゲーゲーやっていた(嘔吐がつらく、その「おかげ」でガンの心配は薄くなっていた)

 そこへWさんが入院、同室となった。

 Wさんは気もち悪がるどころでなく同情され、何かと

よくしてくださった。

 

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1年ぶりの再会。元気でホントよかった! 

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 Wさんは子どもみたいに好奇心旺盛、まめで器用。

 きょ年は「ドローン」の安いのを買って、屋根の

雪の状態を調べたという体験話を聞いたのだが、

ドローンへの強い好奇心が先だったのではないか

と、Wさんに悟られないように少し頭をかしげた。

 ともかく、子どものような遊び心が旺盛でテキな方なのだ。

(ご自分の「遊び」だけでなく、ネコの大好きな娘さんに頼まれて、リビングに格子状の《大工さんの手になるような》立派な柵まで造られていた)

  

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 けれど、きょ年のドローンとは違い、ことしの話

には、深くなんどもうつむいてしまった。

 

 再会のあとからのWさんからの「感謝メール」に

「きょうはちょっと湿っぽくなって…」とあった。

 

湿っぽく…」というのは、とってもつらく悲しい

事実(息子さんを亡くしておられる)思いおこさせる小さな

出来事があった話のこと。

 しかし温かさがジワ―っと押しよせ、心がうるんで

きた話でもあり、私としては、深くうつむいて首を

なんども振るしかなかった。

 

 話というのはこうである。

 Wさんはあるとき天井裏の整理(前々からそのうちやらなければならないと気になっていたのでしょう)をした。

 すると、息子さんが小学1年生のときの作文が載った

学校文集が出てきた。

 初めて目にするもので、文集の存在自体も

知らなかったWさんは驚いた。

 息子がこんなことを書いていたなんて、これまで

まったく知らなかった…

(そのときのWさんの驚き、感慨は、いかばかりだったことか…《息子さんは青春どきに亡くなられています》

 

「小学1年生がこんなにしっかりした内容を、これほど

長く書けるんですね…」と、それを写して書かれた(そのとき、息子さんの魂がWさんに乗りうつっていたのだと想いました)スマホ画面作文を読まさせていただいた私は言い、Wさんの深くて

重い無念への共感を、言葉すくなくうなづきで返すほか

なかった。

 

 息子さんの作文発見からのちのこと。

 毎年恒例にしておられる故郷(車で1時間半くらいの「田舎」。実家は弟さんが継いでおられ、その方へのWさんの厚い感謝の思いも強く伝わってきた)での「ホタル狩り」に、二人の娘さん(息子さんにとっては姉と妹)つれて行かれた。

 それぞれ独立し家庭を持っているが、姉妹はとても

仲がよいそうでこれも息子のおかげ(縁)話しておられたお姿が、別れたあといつまでも心に残った。

(そのときは話されなかったけれど、故郷のホタルの明滅に、そこで確かにホタル狩りをともにした子どものときの息子さんをみておられたに違いない)

 

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                             ちりとてちん

 

 

 

 

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