カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2021.10.22 『幸福な監視国家・中国』‐前‐

14億の人がくらしているというから大国。

人も多いが、国土があまりに大きい。

小さな島国といわれる日本にいる身には想像がむずかしい。

(同じ地球人といっても、生きる基本は同じでも生活感覚はちがっていそうな気がする

                       中国とは - コトバンク

                              (グーグル画像より)

けれども、広い地球のなかでの「お隣さん」だ。

いくら「明治維新」によって中国よりいち早く近代国家となり、欧米に仲間入りし

いまじゃ「サミット」の一員でも、人類がアフリカをでて世界中にひろがった

という「グレートジャーニー」以来のつきあいは免れないモンゴリアン同士。

 

近くて遠いその国の人たちのことを知りたいと思った。

(政治体制がいちおう民主主義で政治政策の主義主張が自由にいえる日本はいま国政選挙のまっ最中。

「いちおう」とはいっても、それは国民の私たちがそうしているから。

 

中国は一党独裁の「社会主義」でも、経済だけ資本主義をまねて市場化し、「社会主義」とは

いいながらも国民の経済的格差はとてもひどい。

それに、新疆ウィグル自治区の人権侵害や香港への弾圧、台湾への脅しもしている。

 

こんなふうじゃ大きくても、とても世界から尊敬されない。それどころか、軽蔑される。

習近平政権は、こういう肝心かなめがどうしてわからないのだろう。

徳政をとく儒教の国でありながら、徳からほど遠い)

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コロナ前は豪華大型客船などで「爆買い」に押しよせる多くの中国の人々を

テレビでみ、旅では観光におとずれた多くの中国の人をみかけたので、中国は

物質的に豊かになったのだと思った。しかし、

「多く」とはいっても、それはごくごく一部の経済的に裕福な人たちであって、

昔みて感動した中国映画『あの子を探して』、『山の郵便配達』に出てくる

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                              (グーグル画像より)
貧しい人たち
には無関係の世界にちがいない。

(映画は昔のものでも、中国の農村と都市の格差は現代でもあまり変わらない

話がとぶけれど、若かったころ買った衣類のタグに「中国製」とあればていねいな縫製がほどこされ

とても丈夫だった。いまでは衣類に限らず、「中国製」と聞いただけで眉をひそめることが多い)

 

現代中国のリーダー習近平国家主席

この政権がこれほど長つづきしているのは、いくら一党独裁、人民に自由には

もの言えぬよう(ネットワーク世界を統制)しているといっても同時にアメもつかい

なんらかの理由があるにちがいない。

政府に不都合な事実は隠蔽され、言論の自由が抑圧されても治安がまもられ《安心・安全の保障》

IT・AI大国化し《カネさえあれば》便利で快適な生活が可能ならば、多くの国民は満足なのだろう。

 

自由市場経済をとりいれ大成功をおさめた中国の発展はいちじるしい。民主主義」だけ引けば

日本と変わらない。

 

このたびの新型コロナへの向きあい方、対応は、一つまちがっていれば社会不安につながった。

中国社会を揺るがし、習近平の政権は続かなかったかもしれない。

 

発生源は武漢、自国《といわれている》だけど、世界にむかって「それがどうした?」といっている

ように見えた。コロナ騒動のはじめのころ、アメリカ、トランプが自分の人気取りのためにやった

「中国たたき」も屁の河童だった。

「独裁のなせるわざ」のごとく、人々がつべこべいう隙さえあたえぬ迅速さ《日本政府おとくいの

「スピード感をもって」のようなお題目ではない》で実行し、成果をあげた)

 

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『幸福な監視国家・中国』 梶谷懐・高口康太

という新書本を読んだ。

 

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本は具体的、ていねいに書いてあるので、とてもわかりやすく、読んでよかった

 

現代の中国は、本の題名にもなっている「監視国家」と呼んでもいいように、

監視カメラが(日本のように個人のプライバシー尊重と犯罪防止を両立させようと遠慮がちに

設置するのではなく)「これ見よがしに」いたるところに設置されており、たえず、

国家権力が国民を見はっているとのこと。

私たち日本人なら「なんと恐ろしい」「不愉快」と感じるけれど、中国の人は

(いまはもう慣れたということもあるかもしれないが)監視されてこまるような悪いことを

しているわけではないので平気らしい。

 

平気どころか、監視されるから国全体として大幅に「悪事」は減ったし、

国民は幸せになった。

書名どおり「幸福な監視国家」なのだ。

                 中国の「信用社会」はどこまで信用できるか | 中国・台湾 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

                          (グーグル画像より)

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IT、AIなどの最先端テクノロジーを国家権力の行使、つまり国民支配に利用した

「デジタル国家」「デジタル資本主義」という言葉をよく聞くようになったが、

周回おくれの私の頭はまだ言葉の段階での認識、理解にすぎなかった。

(「GAFA」《「グーグル」「アマゾン」フェイスブック「アップル」》は知っていたが、

「BATH」《バイドゥ」「アリババ」「テンセント」「ファーウェイ」》は知らなかった)

 

民主主義国家では「個人のプライバシー権(基本的な天賦の人権のひとつ)保障」

「個人情報保護」が大きな問題となり、国民の基本的人権をよりいいものに

していくことが国家の任務でもあるから「GAFA」とも衝突している。

EUは法律を制定してEU圏内の国民の個人のプライバシーを、れっきとした人権として

GAFAなどから守ろうとしています)

 

言いたいことは山のようにあるのですがうまくまとめて書けそうにはありません。

 

本の終わりごろで述べられていた功利主義(「最大多数の最大幸福」原理)

パターナリズムを中心に、次回かきます。

パターナリズム」とは(グーグルより引用

強い立場にある者が弱い立場にある者の利益のためだとして、

本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。

親が子供のためによかれと思ってすることから来ている。

日本語では家族主義、父権主義、家父長制、中国語では家長式領導などと訳される」)

 

 

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                          ちりとてちん

 

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